" />

抗腫瘍薬

オシメルチニブ (タグリッソ®)の特徴

スポンサーリンク

オシメルチニブ (タグリッソ®)について特徴や副作用をざっくりとまとめる。
オシメルチニブは抗がん剤として使用される。適応症の整理も大切である

関連記事
タグリッソ®と他のチロシンキナーゼ阻害薬(イレッサ®、 タルセバ®、ジオトリフ®)の違いや特徴について

オシメルチニブ (タグリッソ®)の特徴

適応症(2019年2月改訂)

「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は、再発非小細胞肺癌」 

※ゲフィチニブ(イレッサ®)、エルロチニブ(タルセバ®)などは1年で耐性が50%程ついてしまう。

この中でT790M変異陽性の方
(効果が見られなくなった患者さんの5~6割に発現している)

ゲフィチニブ(イレッサ®)、エルロチニブ(タルセバ®)、アファチニブ(ジオトリフ®)
を使用したことある方に使える

副作用

オシメルチニブの副作用は他のチロシンキナーゼ阻害薬よりも少ない。
ただし、発現頻度が高いものもあるので注意すること

・副作用自体は全体として86.4%の人に何かしら生じる

【副作用の発現頻度高いもの】

・発疹とざ瘡(37.7%)
・下痢(36.5%)
・皮膚乾燥・湿疹(28.5%)

※ひどい場合、ステロイド外用やヒルドイド®ローションなど用いる

・爪の障害(23.4%)

その他、貧血など

※特に注意が必要なもの

・ 間質性肺炎(3.6%)



投与開始「12週間」が多いが。。。



副作用期間に関係なくいつ起きてもおかしくないので注意
「かぜのような症状」「息切れ発熱」「咳など」



 投与を中止する必要がある

【他のチロシンキナーゼ阻害薬と違う副作用】

・QT延長(機序不明)(6.1%) 



「動悸」、「めまい」、「ふらつき」、「気を失う」などの症状に注意

薬局でも電解質の数値などは確認すべきだろう

※休薬・減量の基準・目安が設けられている

インタビューフォームの引用

「本剤との関連性を否定できないQT間隔延長が報告されており、本剤投与によりQT間隔延長が発現するおそれがある。定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質補正を行うこと。QT間隔延長があらわれた場合には、本剤の休薬、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと」

→減量基準などはタグリッソ®適正使用ガイドなどを確認すること

投与量・服用期間について

・体重で調節するものではない!!

臨床試験データが「80mg」なので「80mg」で使われることが多い

・いつまで服用するという期間は設けられてない

・2-3割の人で8週以内に腫瘍が縮小したというデータがある

・無増悪生存率(増えない・悪化しない期間)の中央値は
10.1ヶ月であり、その後は分からない

※プラチナ製剤+ペメトレキセド群は4.4ヶ月

【補足】
・今は2次療法だが1次療法として使えるように申請中

・粉砕不可
・一包化可能

参考資料
タグリッソ®添付文書・インタビューフォーム
アストラゼネカ問い合わせ
タグリッソ®添付文書改訂のお知らせ