乳酸菌とビフィズス菌の違い について~腸内細菌の善玉菌と悪玉菌の例も~
乳酸菌には「動物性」と「植物性」がある。
おまけ:腸内細菌の善玉菌と悪玉菌の例
①乳酸菌について
乳酸菌には「動物性」と「植物性」がある
〈動物性について〉
・生息場所:「乳」
・分解する糖の種類:乳糖のみ
・栄養状態の条件:栄養が豊富なところを好む
※植物性のものより弱いイメージ
〈植物性について〉
・生息場所:「植物」
・分解する糖の種類:
植物に含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖などの多糖類
・栄養状態の条件:栄養が少なく、過酷な条件でも生きていける
※動物性のものより強いイメージ
※漬物のような塩分濃度が高い環境でも生きていける
乳酸菌の特徴について
・産生物:「乳酸」のみ
・生息場所:
ヒトや動物の腸内、牛乳や乳製品、漬物や酒、一部の発酵食品など
・酸素に対する特性:酸素があっても生息可能(通性嫌気性菌)
※自然界の様々なところで生息可能
※今のところ生きて腸に届いた乳酸菌が、腸内に定着して増殖することはない
→短期間に大量に摂取するのではなくて、毎日週間的に摂取した方がよい
・乳酸菌の効果
発酵の最終産物である乳酸を産生すると同時に、
環境のpHを酸性に変えることで悪玉菌などの他の微生物の増殖を抑える
→腐敗発酵物である「アンモニア」の産生や吸収を抑える
※乳酸菌にとって住みやすい環境に自ら変える
※この性質で腐敗や食中毒の原因になる他の微生物の増殖を抑えて
「保存期間の延長」につながっている
・腸の働きを活性化し、消化吸収や蠕動運動を促進
→便秘改善作用
※抗アレルギー効果、インフルエンザなどに対する感染症予防効果など
免疫力を高める作用も報告されている
乳酸菌の例:植物由来乳酸菌B240
・大塚製薬が発見した乳酸菌B240
・タイでの食用茶(乳酸発酵茶)ミヤンより発見された乳酸菌
・高齢者を対象にした風邪予防効果の臨床データがある
・乳酸菌B240の作用
乳酸菌B240が小腸粘膜のパイエル板の上皮にある
「M細胞」より取り込まれる
↓
樹状細胞の受容体を刺激
↓
「B細胞」が反応して「抗体酸性細胞」に分化
↓
IgA抗体の産生・分泌が増える
↓
免疫を高める(用量依存的)
※菌体自体が関与しているので、「生菌」でも「死菌」どちらでも効果を発揮する
※加熱処理しても有効性を発揮する
乳酸菌の定義について
こちらを参照してください「乳酸菌の定義について」
②ビフィズス菌について
・乳酸菌とは全く別の細菌
※乳酸菌の1種として扱われることはある
・産生物:「乳酸」+「酢酸」
※腸内を酸性に傾ける性質は乳酸菌と同じ
ただし、「酢酸」が悪玉菌をより一層抑制する。
・生息場所:ヒトや動物の腸内
※腸管以外の生息場所がない
・酸素に対する性質:酸素存在下では生殖できない(偏性嫌気性菌)
※自然界では生息不可
・ヒトの腸内では、乳酸菌よりビフィズス菌の方が多い。
※ビフィズス菌の方を摂取した方がよいとPRしている会社もある
今後調査が必要(新しい情報が分かったら追記する予定)
③おまけ
・善玉菌の例:乳酸菌、ビフィズス菌
・悪玉菌の例:ウェルシュ菌、ブドウ球菌、大腸菌
※悪玉菌の作用は、腸内腐敗や発がん性物質、ガス、毒素の産生などがある
参考資料
大塚チルド食品ホームページ
大塚製薬㈱ニュートラシューティカル事業部学術部勉強会
BODY MAINTE 製品説明