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循環器

シベンゾリン (シベノール®)の特徴・副作用(尿閉、低血糖)について~ざっくりと~

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シベンゾリン (シベノール®)の特徴・副作用(尿閉、低血糖)について整理する。
抗コリン作用・低血糖には注意する必要がある。

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ムスカリン受容体 の種類と抗コリン薬の基礎知識

①シベンゾリン の作用機序

・M2受容体を介した作用,およびⅠk,AChチャネルを直接遮断する作用 により、
抗コリン作用を発揮するクラス1群の抗不整脈薬である。

・Vaughan Williams の分類でクラスⅠ群に属しているので
Na チャネルの抑制を主作用とする。

※上室性及び心室性の頻脈性不整脈に効果を示す

・効能・効果について(添付文書より引用)

「下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は 無効の場合
頻脈性不整脈」

※適応外使用の例

肥大型閉塞性心筋症の血行動態改善

②薬物動態について

主に「腎臓」から排泄される薬剤である。

(腎機能障害患者では、障害の程度に応じて投与量を減じるなど
用法・用量の調節をする)

※高齢者は、腎機能が低下しているので副作用に注意する必要がある

補足

シベノール®の添付文書より引用

「本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃 度が持続するので、血清クレアチニン値(Ser) を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じる など用法・用量の調整をすること」

「軽度~中等度障害例(Ser:1.3~2.9mg/ dL):
消失半減期が腎機能正常例に比し約 1.5倍に延長する。
高度障害例(Ser:3.0mg/dL以上):
消失半減期が腎機能正常例に比し約 3 倍に延長する。」

透析性がない(除去されない)

透析性がないということで、急に血中濃度が上昇する可能性がある。
重篤な副作用を引き起こす危険性がある
意識障害を伴う低血糖は特に注意が必要

※「透析」の患者には禁忌である

③抗コリン作用について
(ジソピラミドよりは弱い)

M2受容体遮断作用(弱い)



抗コリン作用がある

※上記のせいで、「緑内障」、「尿貯留傾向のある患者」には禁忌である。

薬局における「問診」や「服薬指導」で、「緑内障」の有無や「排尿障害」はないか
確認することはとても大切である。
「緑内障」の有無は、お薬手帳の他科受診でも分かることがある。

尿閉について

・女性にも出現する可能性あり

・副交感神経は排尿。交感神経は尿を保つのに関わっている。

※抗コリン薬(副交感神経遮断薬)は
膀胱利尿筋に弛緩的に働いて膀胱内圧を低下させ排尿困難を引き起こす。

低血糖について

ポイント:Kチャネル遮断作用がある

ATP感受性のKチャネルを遮断する



ATP感受性のKチャネルはすい臓のβ細胞にも存在する



インスリンの分泌が促進される



低血糖の危険がある。
詳しくは別の機会にまとめる

参考資料
シベノール®添付文書・インタビューフォーム
リスモダンR®添付文書