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瀉心湯類と半夏瀉心湯~黄芩の注意点も理解する~

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瀉心湯類と半夏瀉心湯~黄芩の注意点も理解する~

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①瀉心湯類とは?

別の言い方:苓連剤

「黄芩」と「黄連」を組み合わせた漢方処方のことである。主治に「下痢」。

「黄芩」:消炎・解熱・止血作用
上焦の症状である「のぼせ」・「精神不安」・
「不眠」・「鼻血」などを治療する。

「黄連」:消炎・解熱・健胃作用
中焦から下焦の症状の症状を治療する。

組み合わせることで、胸のつかえの元の熱をとる。

おまけ:瀉心とは?心下の訴えを瀉する(降ろす)。

使い方:心下痞(しんかひ)するものに用いるとされている。
みぞおちの辺りが、自覚的につかえた感じ、詰まった感じがある

②半夏瀉心湯とは?

構成生薬

黄連(おうれん)、半夏(はんげ)、人参(にんじん)、 黄芩(おうごん)、 生姜(しょうきょう)、  甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)

添付文書上の効能・効果(ツムラ引用)

「みぞおちがつかえ、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便または下痢の傾向のあるものの次の諸症

急・慢性胃腸カタル、醗酵性下痢、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、
二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症」

詳細

「金匱要略」では、心下痞(しんかひ)に用いると記載がある。

「半夏」+「生姜」
→「半夏」のえぐみや刺激感を減らすため組み合わせることがある。
小半夏湯という名前もあり、何の前触れもなく(食事関係なし)、嘔吐する場合に
使われる。

→心下に詰まった「気」を散らす。

「黄芩」+「黄連」
→心下の炎症を鎮める作用がある。

補足:心下とは「みぞおち」のあたり

③ 「黄芩」を含む漢方薬の注意点

間質性肺炎

※小柴胡湯だけではない

 間質性肺炎を起こしたと報告があった漢方薬の7割程度に「黄芩」が含まれている。

「黄芩」は柴胡剤・瀉心湯類などに使用頻度が高い

症状:「空咳」・「発熱」・「息切れ」など

※ACE阻害薬だけではないので「空咳」というのは多面的に考える必要がありそう。

また、患者に「空咳」と言っても分からないので、
「乾いた咳」とか「痰が絡まない咳」が続いてないか相手が分かる言葉で
聞き取りすることも大切だろう

薬剤性肝障害

肝障害の報告が多い漢方の半分くらいに「黄芩」が含まれている。

発現時期は短期でも長期でも有りうるらしい

長期服用の方でも肝機能は注意が必要

補足 :「薬疹」も起こしやすい生薬だと言われているため注意

服薬指導時

服薬指導の際は
「咳」「黄疸の有無」「体にブツブツや腫れが出てないか」などは確認すべきだろう。
検査値が分かれば肝機能の数値をチェックすること

参考資料
ツムラ半夏瀉心湯 添付文書
よくわかる漢方処方の服薬指導 雨谷栄 
漢方薬の実践知識 増補版 村上光太郎