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横紋筋融解症について~スタチン系による「筋肉痛」の特徴(CK・クレアチニン)~

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横紋筋融解症について~スタチン系による「筋肉痛」の特徴(CK・クレアチニン)~

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①横紋筋融解症について

どんな病態?

骨格筋の「融解」「壊死」により筋成分が血中へ流出した病態

流出した大量のミオグロビンにより、尿細管に負荷がかかり
「急性腎不全」を併発することがある。
また、まれに呼吸筋が障害され「呼吸困難」になることもある。

補足

ACC/AHA/NHLBIの定義

「CKが正常上限の10倍以上に上昇し、クレアチニン上昇を伴う筋肉症状がある
また、通常は茶褐色尿と尿ミオグロビンを伴う」

※CKがかなり上昇している状態と覚えておく

※CKは、「筋肉運動」、「脱水」、「熱中症」でも上昇することがある。

初期症状

「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」
「手足がしびれる」
「手足に力が入らない」
「全身がだるい」
「尿の色が赤褐色になる」など

服薬指導時、
「身に覚えのない筋肉痛が続いたりありますか?」
「急な手足の脱力感とかだるさありますか?」
「そんな症状があれば教えてください」
などと聞き取りし、
決して「横紋筋融解症」という言葉は使わないようにすることも大切

起こりやすい人

・腎機能障害患者
・肝機能障害患者
・高齢者
・甲状腺機能低下者
・感染・手術・外傷・脱水のある患者
・薬剤多剤併用患者
・薬剤性横紋筋融解症の既往歴のある方
・アルコール多飲する方
・過度な運動を行った患者

代表的な原因薬剤

・脂質異常症治療薬
・ニューキノロン系抗菌薬
・抗精神病薬
・抗パーキンソン病薬
・麻酔薬
・筋弛緩薬
・低カリウム血症をきたしやすい薬剤
(利尿剤、緩下剤、グリチルリチン製剤、甘草、アムホテリシンB、ステロイド薬)
など

②スタチン系薬剤と筋肉痛

スタチン系薬剤を服用して筋肉痛・全身倦怠感が起こる事がある。
「骨格筋障害」

スタチン系薬の「筋肉痛」の特徴

生じる場所の特徴
大概は、「両側性」 
「腕」、「足」や「お尻」の大きな筋肉に起こりやすい。

いつ頃起こりやすい?

最初の「4週間」に起こりやすい。
「12週くらいまで」特に注意が必要である。

※補足
「筋肉痛」が起こって内服を中止した場合、
「2週間くらい」で症状がなくなるのも特徴である。

検査値は?

①でも載せた通りCKが上がる
本当にスタチン系薬剤で上がっているか考える必要がある

※CKはちょっとしたことで上がる
「運動」、「マッサージ器」、「風邪」など

対策について

①一度中止して、「筋肉痛」が引いてから再開する。

②他のスタチン系薬剤を試してみる。変更する。

③コレステロール吸収阻害(ゼチーア®)に切り替えるか
効果が不十分であれば、他のスタチン系薬剤と併用する 。

参考資料
重篤副作用疾患別対応マニュアル
ドクターサロン Vol61 8 2017

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