「適応症」はすべて同じ、「使い心地」が違う。
細かい違いをざっくりまとめてみることにした。
おまけ:「塗擦」と「塗布」の違いについて
①共通点(添付文書引用)
適応症
「下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上 顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛」
禁忌
「(1)本剤の成分又は他のインドメタシン製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
(2)アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発 作の誘発)
又はその既往歴のある患者〔重症喘息発作を 誘発するおそれがある。〕」
一応外用剤ですが、アスピリン喘息歴などがあるとダメ
②違いについて
インドメシンコーワ®ゲル
患部に伸ばしやすく、ベタつきを抑えた軟膏剤(油脂性軟膏)
「急性期」に向いている。
クリーム剤より皮膚に留まるので、より効果がある可能性がある 。
イドメシンコーワ®ゾル
清涼感があり、ベトつき感が少ない外用液剤(皮膚用水剤)
手を汚さずに背中や首筋に塗ることができる。
イドメシンコーワ®クリーム
理学療法時の使用に考慮したクリーム
→マッサージ効果を見越しているとのこと
サラサラしており伸びが良い、すり込みしやすい
「慢性疾患」に用いられる傾向がある。
皮膚の保護作用はイドメシンコーワゲルに劣る。
水や汗で流れやすい。
おまけ:「塗擦」と「塗布」の違いについて
塗擦
塗擦の意味(広辞苑 第五版)
「塗ってすりこむこと 」
ポイントは「すりこむ」
イドメシンコーワ®の添付文書の用法用量を見てみると
「症状により、適量を1日数回患部に塗擦する。」と記載されている。
上記でも記載した通り、マッサージみたいに優しくすりこむイメージ
※注意点
すりこむのだが、塗る量が多かったり、あまりゴシゴシすりこむと
白くなったり、垢みたいにポロポロ剥がれてしまうので注意。
消炎鎮痛剤や保湿剤(ヒルドイド®)などは「塗擦」である。
塗布
塗布の意味(広辞苑 第五版)
「一面に塗りつけること」
→「すりこむ」ことはない
例えば、ステロイド剤などは
「薄く塗ってください」など指導することがあるが
「塗布」だからである。
マイザー®軟膏の添付文書の用法用量を見てみると
「通常1日1~数回適量を患部に塗布する. なお,症状により適宜増減する.」
外用剤の添付文書などをもう一度見て確認すると良いだろう
参考資料
イドメシンコーワ®インタビューフォーム、添付文書
興和薬品 問い合わせ
マイザー®軟膏 添付文書
ヒルドイド®ローション 添付文書
広辞苑 第五版 岩波書店