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精神科

メチルフェニデート(コンサータ®)とアトモキセチン(ストラテラ®)の特徴と違い(副作用、効果)について~ざっくりと~

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①メチルフェニデート(コンサータ®)について

適応症と最大用量

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

※最大用量は、
18歳未満で1日用量は54mgを超えないこと
18歳以上で1日用量は72mgを超えないこと

効果

ドパミントランスポーター及びノルアドレナリントランスポーターに結合し、
再取り込みを抑制することにより、
シナプス間隙に存在するドパミン及びノルアドレナリンを増加させて
神経系の機能を亢進する。

6週間もあれば効果が出てくるらしい

1日1回、朝に服用することで、速やかに効果が発現し、
服用後約12時間効果が持続するよう設計された長時間作用型の徐放錠

→噛んで服用することは出来ない

副作用

よくある副作用(インタビューフォームより)

患児:
食欲減退(42.1%)、不眠症(18.5%)、体重減少(12.0%)、頭痛(8.3%)、腹痛(5.6%)、
悪心(5.6%)

成人:
食欲減退(39.7%)、動悸(21.7%)、体重減少(19.9%)、不眠症(18.0%)、悪心(16.5%)、口渇(14.7%)、頭痛(10.7%)

→一番多いのは、共に食欲の減退、育ち盛りの子供では、
食事関係なくおやつ等を食べることが大切
食べれるときに食べること

個人差はあるが、2週間から2ヶ月で食欲低下は落ち着く

10年スパンで見ると、身長に差はなくなる

※その他、血圧や心拍数への影響もあるため
服用期間中はチェックする必要がある。

特徴

浸透圧を利用した放出制御システム(OROS)が採用されている
→一包化は不可

・24時間で効果が切れるので、土日は飲まないとかの例あり
→学校の授業などだけ集中させるとか、服用する目的によって飲み方は人それぞれ

 ・昼起きてしまう人のときは、その人にとってはそこが「朝 」
→だから起きた時間に服用してよい

※ただし、不眠を助長する可能性はある

添付文書には次のように書かれている

「本剤は中枢神経刺激作用を有し、その作用は服用後12時間持続するため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。」

②アトモキセチン(ストラテラ®)について

適応症と最大用量

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

※最大用量は
18歳未満
1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと

18歳以上
1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。

効果について

非中枢神経刺激薬である。
ノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害する

だいたい飲み始めて2週目から効果がある。
インタビューフォームの記載は下記

小児期AD/HDには、
「投与開始2 週目から症状改善が認められ、維持量(1.2~1.8 mg/kg/日)に到達 後4 週間で安定した効果が得られた」

成人期AD/HD には、
「投与開始2 週目から症状改善が認められ、6 週目以降では、6 割以上の患者に おいて十分な反応が認められた。その際の用量は維持量(80~120 mg/日)であった。」

副作用

小児と成人で副作用に多少違いある。よくある副作用は
(インタビューフォームより)

小児:
頭痛(22.3%)、食欲減退(18.3%)、傾眠(14.0%)、腹痛(12.2%)、悪心(9.7%)
成人:
悪心(46.9%)、食欲減退(20.9%)、傾眠(16.6%)、口渇(13.8%)、頭痛(10.5%)

→「ムカつき」、「食欲低下」、「眠気」などが多い。

※その他、血圧や心拍数への影響もあるため
服用期間中はチェックする必要がある。

特徴

・剤形として、カプセルと内用液がある

→飲み込みが悪い人や小児に内用液は使いやすい

・依存形成の懸念が少ない
コンサータ®自体への依存形成に加えて
AD/HDの特徴である物質・アルコール・ギャンブルなどへの依存が懸念されることから「側坐核」に作用しないストラテラを選ぶことがある。

・24時間の効果がある。(コンサータの効果は半日程度)
夜間~早朝の障害が出ることがある。
覚醒レベルが上がるので睡眠障害に繋がる可能性がある。

・依存疾患がある際に使いやすい
コンサータは「過度の不安・緊張・興奮がある患者」「重度のうつ患者」には禁忌
ストラテラは「不安」・「うつ」を悪化させないデータがある。

参考資料
コンサータ®ストラテラ®添付文書・インタビュフォーム