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眼科・点眼薬

緑内障とラタノプロスト(キサラタン®)~眼圧目標や薬理作用もざっくりと~

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①緑内障の小ネタ

おそろしいデータがある。
「緑内障」と診断された人で半年後も治療を継続している人は「4割程度」らしい
(メーカー曰く)
びっくり仰天・・・みんな目の病気が怖くないのだろうか・・・

40歳での有病率は、約3.9%
内訳を見てみると・・・
眼圧21mmHg以上0.3%
眼圧21mmHg以下3.6%
つまり、72%が「正常眼圧緑内障」だということになる。

緑内障の治療戦略において、「18mmHg以下」にすることを目標にしている。
12~13mmHgの人は、「視野障害」がほとんど出ないというデータがある。
±1mmHgで10%もリスクが変わるので、
医者はその辺の微妙さで凌ぎを削っている。

※服薬指導の時も眼圧を下げることの意義をもう少しフォローすべき
やはり、病気の実感がないので何のために点眼しているのか疑問に感じる人も
いるだろう
アドヒランスを向上させることは重要である。
正常眼圧でも、「なぜ?点眼して眼圧を下げる必要があるのか」を
伝えてみてはどうだろうか

②緑内障になりやすい人

・高血圧治療薬を服用中の人
・睡眠時無呼吸症候群の人
・よく寝る人
・ヨガなどで逆立ちをする人
・脳髄液圧が低い人
などなど色々な人に起こりうる。

③ラタノプロスト(キサラタン®)について

薬理作用・作用機序

ラタノプロスト(キサラタン®)は、角膜から吸収される。
その後、プロスタノイドFP受容体に結合し、
MMP(マトリックスメタロプロティナーゼ)を介して、
ぶどう膜強膜流出路内のコラーゲンを変化させる(間隙を広げる)ことで
眼房水の流出を増加させる。

ざっくり言うと、「眼房水の出口・抜け道を拡げてあげる作用」

※ちなみに、眼房水は、目のところに0.3mLほどあり、 1~2hr程度で新しくなる。

※ラタノプロストを点眼して、1000分の1しか吸収されない

点眼間隔の重要性

他の点眼薬との点眼間隔を30秒あけると、吸収率は約半分。
2分では約8割
5分では約10割

 少なくとも3分程度はあける必要あり・・・ (5分以上はいらないみたい)
 
※通常の服薬指導では、
「点眼間隔は5分以上あけましょうね」とか言うが、
個人的には微妙・・・5分もじっと待ってられない・・・

例えば、
「ご飯の前後で点眼してください」
「テレビのCMの時に1種類ずつ点眼してください」とか
何かの作業の間に点眼してもらうなど工夫した方がよいのではないか

副作用について

・黒ずみ:

メラノサイトにおけるメラニン合成活性化により色素沈着がおきる。
目のまわりの黒ずみ等は可逆的 
外国人の青目が茶色に変化するのは不可逆的

点眼後の洗顔はしっかり行う必要がある。特に片目の緑内障の人は、
目立ってしまうのでフォロー必要

・目のくぼみ:

「投与してから半年後まで」に起きる。
ここまでに起きなければ普通はならない

保存方法

キサラタン® は「冷所保存
ジェネリック医薬品では「室温保存」な品目が多く存在する。
「ニッテン」「サワイ」など

先発希望の方もまだまだ沢山いるが、ジェネリックの方が同等以上に
優れたものがあることも知ってほしい。

参考資料
キサラタン®添付文書・インタビューフォーム
ラタノプロスト「ニッテン」「サワイ」添付文書
ファイザー問い合わせ