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女性ホルモンと血栓について~ラロキシフェン(エビスタ®)についてもざっくりと~

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女性ホルモンと血栓について~ラロキシフェン(エビスタ®)についてもざっくりと~

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①血栓ができる機序について

女性ホルモンと血栓の関係

女性ホルモン製剤

肝臓内に取り込まれ、肝臓組織を刺激する

凝固系を活性化する(※用量依存的)

「静脈血栓塞栓症(VTE)」のリスクとなる。

※閉経後のホルモン補充療法や経口避妊薬では注意が必要
※ホルモン補充療法でも 「経皮」の17β-エストラジオールは、
初回通過効果を受けないこと また、肝刺激作用が
経口のエストロゲンより弱いことで静脈血栓塞栓症のリスクは低い。

※経口避妊薬に含まれるエチニルエストラジオールは、
閉経後のホルモン療法で使われる経口のエストロゲンよりVTEリスクが高い

 ※リスクを上げるのは「喫煙」、「肥満」、「高齢者」

エストロゲンと凝固系(詳細)

生体内の生理的凝固抑制タンパクであるアンチトロンビンⅢを低下させる
 
凝固抑制系である活性化プロテインC(APC)のなかで、
活性化第Ⅴ因子や活性化第Ⅷ因子を失活させる際に
ファクターとしてAPCの作用を助ける。
そして、プロテインSを低下させる。その結果、凝固が促進する

いつ起こりやすい?

血栓ができる機序について「投与開始4ヶ月」まで多く、
発現率は0.2%である。

→服用して「1ヶ月」は特に注意が必要である

※海外臨床試験においてVTEの発現時期を検討した結果、
エビスタ®の投与開始4ヵ月後までに相対リスクのピークがあり、
以後は漸減することが示されている。

※国内臨床試験及び長期使用に関する特定使用成績調査
(製造販売後調査)における VTEの発現頻度は0.2%(11例/7278例)*

③症状

「下肢の疼痛」、「浮腫」、「突然の呼吸困難」、
「息切れ」、「胸痛」、「急性視力障害」等

→「足の痛み」が「むくみ」は聞き取りやすいので確認を!

④注意すべき場合は?

寝たきりのケース

「3日前」には中止が必要である。

※添付文書上の記載(エビスタ®)

「静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症を含む)のリスク
が上昇するため、長期不動状態(術後回復期、長期安静期等)に入る3 日前には本剤の服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは投与を再開しないこと」

※なぜ3日前なのか?

本剤の血中濃度と静脈血栓塞栓症発現の間に薬力学的な関連
は認められていないが、血栓症のリスクが上昇する期間の前に
血中濃度が低下していることが望ましいため、本剤の半減期が24.3 時間であること及び米国添付文書の記載
(少なくとも不動状態の期間及び不動状態に入る72 時間前には投与を中止すること) に基づいている。

長期フライトケース(旅行時など)

リスク回避のため水分補給を勧める

※航空機などによる旅行に関連した静脈血栓塞栓症は「旅行者血栓症」
(ロングフライト血栓症)として知られているので、
本剤投与中の女性が長時間の航空機等での旅行をする際には、
適度な水分摂取や運動等を勧めること。

参考資料
エビスタ®添付文書、インタビューフォーム

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