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痛み・鎮痛剤

トラムセット 配合錠(トラマドール+アセトアミノフェン)について~特徴と注意点(副作用)~

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トラムセット 配合錠(トラマドール+アセトアミノフェン)について特徴と注意点(副作用)を整理する
1錠中にトラマドール37.5mg、アセトアミノフェン325mgを含有する配合鎮痛剤

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①トラムセット の用法用量

「〈非がん性慢性疼痛〉
通常、成人には、1回1錠、1日4回経口投与する。投与間 隔は4時間以上空けること。 なお、症状に応じて適宜増減するが、1回2錠、1日8錠を 超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けるこ とが望ましい。 」

「〈抜歯後の疼痛〉 通常、成人には、1回2錠を経口投与する。 なお、追加投与する場合には、投与間隔を4時間以上空け、 1回2錠、1日8錠を超えて投与しないこと。また、空腹時の投与は避けることが望ましい。」

※「非がん性」なので注意

「変形性関節症」、「関節リウマチ」、「腰痛症」、「脊柱管狭窄症」、
「椎間板ヘルニア」、「頸肩腕症候群」
など様々な疾患によって慢性疼痛は起こりうる。

※どちらの用法も1日8錠が最大
(トラマドール300mg、アセトアミノフェン2600mg)

→かなり高用量なので副作用に注意。

※4週間服用して効果がないときは他の治療方法を考慮
※減量は徐々に!一気に切らない

②トラムセット の特徴(薬理作用)

トラマドールの作用(非麻薬指定の中枢性鎮痛薬)

〈上行伝達路の抑制〉

μオピオイド受容体に結合
→グルタミン酸、サブスタンスPなどの興奮性伝達物質の遊離を抑制する。

(モルヒネと同じ作用だが、モルヒネと比べ非常に弱く、
依存性や便秘の副作用が出にくい) 

※モルヒネの効力を1としたときの力価は5分の1

〈下行抑制路の活性化〉

侵害刺激の抑制が関係している。
ノルアドレナリンの再取り込み阻害・セロトニンの再取り込み阻害 

これにより、下行性抑制路の活動を高め鎮痛効果を発揮する。

アセトアミノフェン

アニリン系鎮痛薬と言われる。
ロキソプロフェン(NSAIDs)のような
末梢におけるシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用が弱く、
抗炎症作用がほとんどない。
主に中枢に作用して疼痛の閾値を上昇させ、鎮痛作用を発揮する。

③注意点

副作用

「悪心」「嘔吐」「傾眠」

服用2日目から出やすい (飲み始めに多い)

「便秘」に関しては、経時的な副作用である。

→「吐き気」や「眠気」は慣れてくるもの(1~2週間ぐらい)だが・・・

→何の説明もないまま・・・この副作用が出ると患者が飲まなくなることがある。
勝手に自己中止する可能性があるのだ。

→しっかり患者に説明して理解してもらう必要があるだろう。

〈対策〉
制吐剤併用や寝る前(空腹時はなるべく避けるべきだが・・・)に服用する工夫、
増量の際は漸増方法をとる必要あり(薬剤師のモニタリング大切)

「肝機能障害」

アセトアミノフェンの量が多めである。
通常量を服用すると1300mg/日になるため
肝機能障害の発現に注意する。
また、他の薬剤でアセトアミノフェンを服用する機会が多い。
併用薬(とくにOTC)の確認はすべきである。

参考資料
持田製薬勉強会資料
トラムセット添付文書