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竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)について~長引く咳に(インフルエンザ後など)~

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竹筎温胆湯(チクジョウンタントウ)について~長引く咳に(インフルエンザ後など)~

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①構成生薬

柴胡(サイコ)、竹筎(チクジョ)、茯苓(ブクリョウ)、
麦門冬(バクモンドウ)、
陳皮(チンピ)、枳実(キジツ)、黄連(オウレン)、甘草(カンゾウ)、
半夏(ハンゲ)、香附子(コウブシ)、生姜(ショウキョウ)、
桔梗(キキョウ)、人参(ニンジン)

②どんな人に適しているか?

「比較的体力の低下した人で、感冒などで発熱が長びき、あるいは解熱後、咳が出て痰が多く、不眠を訴える場合に用いる。」

・柴胡を含むため胸脇苦満のあるもの
・体力が中程度の人で、不安、神経過敏、動悸、微熱、咳、不眠がある場合
・感冒後の長引く咳
・精神不安なもの
・ストレス後の不眠
・首筋に発汗がある場合に効果がある
・夜間に咳などで不眠となる場合

※なかには、気管支喘息(発作時は✖)、COPDなどに用いることもある

ツムラ添付文書では

「インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、
また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの」
と記載がある。



肺炎、流感などで高熱は一応下がったが、
まださっぱりせず咳がはげしく眠れないものに用いる

補足

小柴胡湯などを用いて熱は下がったが、
元気が出ず、ぼんやりしているものに用いることがある

③副作用について

添付文書には「甘草」に対する記載しかない
ツムラの竹筎温胆湯(7.5g)には甘草が1g含まれているので
そこまで多くはない。

ミオパチーや偽アルドステロン症に注意すること

添付文書の記載(一応確認)

偽アルドステロン症

「低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。」

ミオパチー
「低カリウム血症の結果としてミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、四肢痙攣・麻痺等の異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと。」

おまけ:インフルエンザ後の漢方薬選択のイメージ

抗インフルエンザ薬(タミフル®、イナビル®など)は、発症後48時間以内にしか
使用することができないため急性期の薬剤である。
漢方薬には、そういう縛りがないため急性期だけでなく長引いている場合にも使うことが出来る。

微熱が続いた場合:柴胡桂枝湯
咳が残った場合:竹筎温胆湯
倦怠感が持続した場合:補中益気湯

証を考える必要があるがイメージはこんな感じ

参考資料
症候による漢方治療の実践第五版 大塚敬節p239
ツムラ竹筎温胆湯 添付文書・インタビューフォーム
内藤 俊夫 感冒・インフルエンザと漢方 順天堂医学. 2012, 58 P. 397〜402

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