色々な注意が必要な薬である。
今回はその一部についてまとめる。
おまけ:リマプロスト(ジェネリック)の一包化について
①「効能効果」と「用法」
添付文書上の効能効果
・閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
・後天性の腰部脊柱管狭窄症に伴う自覚症状
(下肢疼痛、下肢しびれ)および 歩行能力の改善
用法
・閉塞性血栓血管炎に伴う方
→1日30μg(6錠)を3回に分けて経口投与する
・後天性の腰部脊柱管狭窄症の方
→1日15μg(3錠)を3回に分けて経口投与する
②「重要な基本的注意」の記載
「腰部脊柱管狭窄症に対しては、症状の経過観察を行い、
漫然と継続投与しないこと」
ざっくりしていて分かりにくい・・・
→「理由」と「どれくらいの期間で効果を判定するのか?」
なぜこのような記載が・・・(理由)?
腰部脊柱管狭窄症に対する場合、効果がないと
↓
「馬尾神経」、「神経根」、「神経組織の器質的障害」などの
循環障害以外を考慮必要があるため
期間は?
メーカー問い合わせによると
6週間まで継続的に循環障害を改善するという データがある
2週間 18.2%
4週間 38.3%
6週間 55.0%
と継続的に効果がある。
そのため、メーカーとしては、
6週間ぐらいを効果判定する目安にしてほしいとのこと
ちなみに、熊本県では薬局として12週間毎くらいに確認する
(疑義照会等)必要があるらしい (必ず薬歴への記載が必要)
さらに「用法」「用量」「患者さんの聞き取り」 から
どちらの疾患か判別出来ないときは、
「病名」を疑義照会してもいいかもしれない。
※「腰部脊柱管狭窄症」は注意が必要である。
おまけ:リマプロスト(ジェネリック)の一包化について
先発品(オパルモン®、プロレナール®)は一包化が可能である。
オパルモン®の場合、下記の安定性が示されている。
「本剤を透明分包紙あるいは半透明分包紙に分包したとき、温度25℃・湿度75%RHで5ヵ月、より厳しい条件として温度30℃・湿度75%RHで16週まで安定でした。従って、この条件において一包化は可能と考えております。」
室温でも4ヶ月程度はOK!
補足:添加剤としてのβ-シクロデキストリンを使うことで
湿度に対しての安定性を向上させている。
ジェネリックの場合
一包化出来るものと出来ないものがあるので注意
一包化出来ないのにジェネリックとして採用するのはどうかと思う。
例えば、サワイ製薬のものは一包化可能である。
25℃65%無包装状態での定量試験において
5か月は問題ないとメーカーからの回答あり(バラ包装も存在する)
↓
「一包化」が可能ということでお勧め!
(詳しいデータはインタビューフォーム参照)
薬剤師として、闇雲にジェネリック採用するのではなく、
様々な面から 考慮して採用すべきではないだろうか
リマプロストアルファデクスは、その1つの例である。
参考資料
小野薬品問い合わせ
オパルモン®添付文書・インタビューフォーム
リマプロスト「サワイ」インタビューフォーム、メーカー問い合わせ