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脂質異常症・コレステロール

エゼチミブ (ゼチーア®)について~特徴をざっくりと~

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エゼチミブ は、食事由来のコレステロールと 胆汁由来のコレステロールの両方に介入できる。
食事由来のコレステロールへの介入は、エゼチミブのみである。 

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スタチン系薬剤とエゼチミブ(ゼチーア®)併用について

①エゼチミブ の作用機序

標的分子であるNPC1L1を阻害する。



腸細胞におけるコレステロールの取り込みを阻害する

※NPC1L1
膜タンパク質のトランスポーター(コレステロール輸送体)
小腸における腸細胞の刷子縁側と肝臓の頂端膜(毛細胆管側) に発現している。

※LDLを約20%低下させる。

②エゼチミブ と高レムナント、Small dense LDL

高レムナントとSmall dense LDLによりどうなる?

食後高脂血症とは食後に血中のトリグリセライド(TG)が高い状態が続くこと



高TG血症



高レムナント血症を引き起こす。


 
Small dense LDLを増加させる。

他にも
インスリン抵抗性を高める
脂肪肝促進する
血管内皮機能を低下させる

※高レムナントに関してはこちらを参照

https://mibyou-pharmacist.com/2019/09/17/レムナント様リポ蛋白(rlpコレステロールとは?/

エゼチミブ の効果

報告されているデータ
「脂質異常症においてエゼチミブ10mg/日の16週間投与により
Small dense LDLを42.9%減少させる。
脂質異常症患者においてエゼチミブ10mg/日の12週間投与により
レムナント様リポ蛋白コレステロールが21%減少する。」



エゼチミブがLDL-C低下作用のみならず
動脈硬化惹起性コレステロールを減少させるため期待されている

補足:Small dense LDLについて

大きさ

 LDL粒子の分画のうちサイズが小さく比重が大きいもの
(平均粒子径は25.5nm以下)

特徴

動脈硬化を引き起こす原因として注目されている。

動脈硬化を引き起こしやすい理由

酸化されやすいために
動脈壁に侵入したマクロファージが
取り込みやすくなり、泡沫化細胞となる。
それがプラークを形成し、進行するためである

どんなとき上昇するのか?

高TG血症、低HDL血症、
メタボリックシンドローム、 インスリン抵抗性状態など

参考資料

Kalogirou M et al,; Effect of ezetimibe monotherapy on the Concetration of lipoprotein subfractions in patients with primary dyslipidemia. Curr Med Res Opin 23 : 1169-1176 ,2007

Nozue T et al ,: Effect of ezetimibe on remnant-like particle cholesterol , lipoprotein (a) , and oxidized low-density lipoprotein in patients with dyslipidemia. J Atherosclear Thromb 17: 37-44,2010  

コレステロール吸収阻害から見る脂質異常治療 寺本民生

動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012版