BPT(Basal supported post Prandial GLP-1 therapy)
BBT(Basal Bolus Therapy)
BOT(Basal Supported Oral Therapy)の違いを整理する。
①インスリンの早期導入の意味
膵臓のインスリン分泌能の回復
糖毒性から身を守る
・高血糖状態によってインスリン分泌不全の防止
・インスリン抵抗性のさらなる悪化の防止
※米国糖尿病学会(ADA)、欧州糖尿病学会(EASD)の治療ガイドラインで
推奨されている
②BOT(Basal Supported Oral Therapy)とは?
経口血糖降下薬と基礎インスリンの併用(持効型インスリン)
BOTから強化インスリン療法へ移った場合
超即効型インスリンによる回数増加がある。
低血糖リスク、体重増加などのリスクが上がる。
③BPT(Basal supported post Prandial GLP-1 therapy)とは?
BOTとBBT(強化インスリン療法)の間のもの
基礎インスリン+GLP‐1の使用(併用療法)
GLP‐1の特徴
「血糖依存的なインスリン分泌促進」+
「消化管運動遅延効果による食後高血糖改善作用」
基礎インスリンが空腹時高血糖を改善するため相性が良い。
GLP‐1には食欲抑制、体重低下作用という効果もあるため、
肥満の人にも向いている。
強化インスリン療法は注射回数が多いため避けたい場合や
強化インスリン療法からのステップダウンも考えられる。
※GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌能がないと効果がないので
インスリン分泌能がない場合は適さない
※2015年に米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病協会(EASD)で
Position Statementで述べられている。
強化インスリン療法(Basal Bolus Therapy:BBT)
インスリンの絶対的適応でも相対的適応でも高血糖がひどく糖毒性を回避したい場合に行う。
超速攻型インスリン(追加インスリンの補充)+
持効型インスリンの方法(基礎インスリンの補充)
※1日4回注射するので回数が多く大変
④ゾルトファイ配合注フレックスタッチ(合剤の登場)
効型溶解インスリンアナログのトレシーバ(インスリン デグルデク)とヒトGLP-1アナログのビクトーザ(リラグルチド)を固定比率で配合したもの
1日1回皮下注射で、あらかじめ薬液が充填されたペン型の注入器。
食事のタイミングに関わらず投与できるのが特徴。
(利便性が高い)
ゾルトファイ配合注については後述する予定
参考資料
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ インタビューフォーム