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ワーファリンと納豆~なぜダメなのか?本当にダメなのか?~

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ポイント ワーファリン®内服中は、納豆の量に関係なく、避けたほうがいい

個人的な意見だと、そもそもどれくらい食べたらダメなのか?
ちょっとならいいのではないか?
患者にとっては分かりにくいと思う。
「血液サラサラの効果が落ちるからダメですよ」なんて
言われてもちょっと食べてみたり・・・してしまうことが多い

ワーファリンと納豆~なぜダメなのか?本当にダメなのか?~

納豆菌について

納豆中のビタミンK含有量は、ホウレン草なんかと比べて特に多いというわけではない。 問題なのは、納豆菌が腸内でビタミンKを産生するためと考えられる。
ビタミンKの合成(産生)能力が強い部類である。

納豆のワーファリン®に対する効果

報告があるデータ

「健康成人にワルファリンを投与し、 トロンボテスト値の低下後に納豆100gを摂取した時、 ワルファリン継続投与にも関わらず 24~72時間トロンボテスト値の高値が続いたとのこと」



納豆2パック(市販の物が50gとして)食べると、
だいたい2-3日の間ワーファリン® の効果を阻害してしまう。

「ワルファリンを投与しないで納豆100gを食べると、 ビタミンK依存性凝因子とプロトロンビン時間が短縮した」

・別の試験において、

「納豆10gや30gの少量摂取でも血中ビタミンKの値が上昇した」



量は、そもそも問題ではない

以上より言えることは、納豆を少量でも食べてしまうと、
納豆菌の特性により数日ワーファリン®の効果を邪魔するということ。
しかも、ワーファリン®を飲んでなくても血液サラサラのために
納豆を食べることは間違いだということ

添付文書の記載(一部抜粋)

「納豆、クロレラ食品、青汁
本剤の作用を減弱するので、上記食品を避ける よう、患者に十分説明すること。
上記食品に含まれるビタミンKが本剤のビタミ ンK依存性凝固因子生合成阻害作用と拮抗する。」

納豆、クロレラ、青汁は避けるように記載があるので注意

個人的に思うこと

医師や薬剤師の勉強会で毎日同じ量を食べるのであれば、
その上でPT-INRをコントロールするのも1つの手という話もあるが、
スーパーで色々納豆を見ると、パックのg数の違いや
本当に同じ量納豆菌がいるのか?
という疑問やその日の胃腸の調子でもビタミンKの産生は変わるだろうし・・・
個人的には、おすすめできないので別の血液抗凝固薬(DOAC)にするか
納豆を完全に避けるかの選択がいいと考える

参考資料
Warfarin適正使用情報第3版 p509-510
エーザイ問い合わせ
ワーファリン®添付文書、インタビューフォーム