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動画 呼吸器疾患

アドエア®とシムビコート®の違いについて~小ネタ(粒子径や頓服)~

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各薬剤の細かい違いについてまとめる

※喘息で死ぬ人は、今1500人/年くらい。年々減っている
→これは吸入剤の販売額と反比例の関係にある。
→適切に吸入薬を使用することは大切

①息を止める?止めない?

基本的には、吸入後の息止めをした方が良いが・・・
出来ない人もいますよね?
一般に、きつくない5~10秒くらいである。

細かい話をすると・・・

・アドエア®は、吸入後5秒くらい息を止めないといけない。
(止めないと出てしまう)
・シムビコート®は息を止める必要はない 。

理由:粒子径の違い

なぜなのか?
平均粒子径の違い(細かい・・・) 
アドエア®4.4μm
シムビコート®2.5μm

口から末梢気道に最も効率的に届く粒子径は2~3μm



だから、PM2.5も肺の中に到達する。
アドエア®は粒子径から肺の中に到達するのに時間がかかる。
シムビコート®は肺のより深くに届きやすい。
→30秒~1分後から効いてくる
→頓用(頓服)が可能な理由でもある。

※アドエア®は頓服での使用はできない。

※メプチンも1分くらいで効果がある。

※シムビコート®のステロイドであるブデソニドについて
吸入ステロイドの中では、水に対する溶解度が高いので
気道組織に到達しやすいという理由もある。

添付文書を確認(シムビコート®の頓服について)

「維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者は、
発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。
本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。
数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。
必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。」

「維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。」

※通常は8吸入までで、一時的なら12吸入までOK

②シムビコート®のデメリットは?

「乾燥剤」が入っているので残量が残っていても吸える感じがある。
→これは絶対個人的には患者に言ったほうがいいと思う。
意外と吸入回数以上に日数が空いて来局する方多いので・・・
ペン先くらいしか量が出ないので吸った感じが少ないのも注意

また、シムビコート®はカウンターが見えにくい。

③味の違い

アドエア®は甘く、シムビコート®は苦い

※シムビコート®の方が嗄声(声のかれ)少ない。

④補足

喘息が1年の中で最も症状が悪化するのが10月の秋
「花粉」と「気温差」の激しさがあるためである。
花粉・・・カモガヤ、ブタクサ

九州は喘息にかかりやすい。(偏西風のため)
鹿児島→火山灰がありワースト1位

※吸入薬は、2週間以上の連続投与により 効果が出るため
コンプライアンス、アドヒアランスが大切である。

参考資料
グラクソ・スミスクライン勉強会資料
アステラス勉強会資料
アドエア®添付文書、インタビューフォーム
シムビコート®添付文書、インタビューフォーム