①オーラルフレイル(口腔機能の虚弱)
口腔機能の低下や食生活の変化(偏食)などを含んだフレイルの1つである。
※8020運動との違いは「歯の数」だけでなく、機能的な面にも踏み込んでいるところ
定義を見ると、健康と機能障害の間の状態
可逆的であるため、口腔ケアの大切!
主なオーラルフレイルの原因
口腔環境に対する無関心
滑舌低下
食べこぼしが増える
少しむせる
かめない食品が増える
やわいものを好むようになる
噛む力が弱くなる。食べる量が減る
口の乾燥
など
意識的なところも影響したり原因は様々である
4つの段階
平野浩彦先生によると概念として4つのフェーズがある。
②4つのフェーズ
第1フェーズ「社会性/心のフレイル期」
生活範囲の狭まり(活動量↓)
精神面の不安定などから・・・
↓
「口腔機能管理に対する関心の低下」
↓
「歯周病↑」、「残存歯数の低下」の徴候が現れる段階
↓
「社会性/心のフレイル期」としている
※薬局でも高齢の方でパートナーとの人生の別れを境に
食生活が変わったり、自暴自棄になったりする人がいる。
そういうことがきっかけで口腔機能が低下する可能性があるので
注意する必要がある。
第2フェーズ「栄養面のフレイル(オーラルフレイル)期」
口腔機能の軽度低下
例:「滑舌低下」、「食べこぼし」「むせ」
↓
食生活の悪化の徴候が現れる段階
↓
ちょっとした口腔機能の低下が目に見える状態
↓
「栄養面のフレイル期」
※食欲も低下している
薬局でも普段と喋り方や口の動きが違ったり、
錐体外路障害などがあれば注意・・・
家族から食事の様子を聞くのもいいかもしれない
第3フェーズ「身体面のフレイル期」
噛む力や舌の動きが明らかに低下
↓
サルコペニアや栄養障害となる
↓
低栄養、低代謝状態で明らかに目に見える状態
第4フェーズ「重度フレイル期」
摂食嚥下機能低下
咀嚼機能不全
↓
要介護状態・・・
↓
運動・栄養障害に至る段階
補足:8020運動(引用)
「残存歯数が約20 本あれば食品の咀嚼が容易であるとされており,
例えば日本人の平均寿命である80 歳で20 本の歯を残すという,
いわゆる8020 運動を目標の1 つとして設定するのが適切ではないかと考えられる.」
(厚生省「成人歯 科保健対策検討会中間報告」1989 年)
※かなり昔からある運動の印象があったが30年も前に検討されていること。
小学校のときに廊下に沢山ポスターがあったような・・・
※2011年に達成者38%
現在は半数を超えていると予想されている
参考資料
平成25 年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「食 (栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念 の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至 る口腔ケアの包括的対策の構築に関する研究」報告書. 国立長寿医療研究センター,2014.
平野浩彦,飯島勝也,菊谷武,渡邊裕,戸原玄: 実践!オーラルフレイル対応マニュアル,東京都福祉 保健財団(東京),2016.