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感染症・抗菌薬 質問

手指消毒について~石鹸+流水orアルコール手指消毒~併用がいいの?(質問)

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医療現場において手指消毒はとても重要である
(もちろん家庭でも) 



どれくらい汚れているのか?



いくつかのデータがあるので参考にして欲しい。

・看護師の手指29%は約3800個の黄色ブドウ球菌を保有している
・集中治療室のスタッフの21%は手指に黄色ブドウ球菌を保有している
・指輪をしていると手指に付着する平均的な菌数の約10倍付着する
・看護師の17~30%の手指に3400個から38000個にも及ぶグラム陰性桿菌が付着している
※医療スタッフであれば、かなり菌が付着している意識をする!



気になるのは指輪のデータ。
個人的にも仕事中は指輪をしていない。
指輪自体が感染のリスクを上げてしまうので気分的に避けている。
最近は、患者の自宅や施設なども出入りするので気をつけている。

※基本的に手は汚れていることを理解する

①石鹸による流水とアルコール手指消毒は併用した方が良いのか?

答えとしては、「しない方がよい」

※かなりの人が石鹸で洗った後にアルコール消毒をしているかもしれない。
どうでしょうか・・・

理由

アルコール手指消毒薬を使用した前後、
直ぐに石鹸と流水で手指衛生を行うと皮膚炎を引き起こすという報告がある。



手荒れの部位は病原体汚染の危険性が高まるので避ける。

※ローションや保湿剤を使うことも大切である。
※清潔に保つのと同時に手指の怪我や荒れは良くないことを理解する

石鹸と流水が適する場合

①手指が目で見て汚れてる(血液や体液も)
②トイレのあと
③芽胞を形成する病原体に接触した可能性がある場合
(クロストリジウム・ディフィシル)
④アルコール手指消毒液が利用できないとき

アルコール手指消毒薬が適する場合

手指が目に見えて汚れていないとき

①患者に接触する前後
②患者ケアで侵襲的器材を扱う前
③創部ドレッシングに触れたあと
④患者周囲の環境表面や医療設備に触れたあと
⑤手袋を外したあと

※薬剤や食べ物の準備の前は、どちらかを行う。併用しないこと
→薬局ではアルコールの方が多いかな?

補足

・「タオル」や「ペーパータオル」の使い方

こするよりも、皮膚を軽くたたくように行う

・手袋について

手が濡れている状態で着用しない
手袋は、手指衛生の代用とはならない

・洗い残しが多い場所

「指先」・「指のつけ根」・「親指」

参考資料
医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン 一部改変
Clim infect Dis 36: 1383-1390 2003
米国CDC 2007より
大正富山医薬品勉強会資料