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利尿薬 検査値 高齢者

低カリウム血症について(機序・原因薬剤・症状など)~高齢者は特にご注意を~

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血中のカリウムの正常値は3.5~5.0mEq/Lぐらいである。
カリウムの異常は、色々な身体症状を引き起こしてしまう。
その中で低カリウム血症の原因をざっくりとまとめる。

補足:アルドステロンとは?

①低カリウム血症の機序

ホルモン異常

例えば、動脈硬化がおこると・・・



腎臓にいく腎動脈が狭窄する



レニン放出↑



アルドステロン分泌↑



腎臓からのカリウム排泄が促進する



低カリウム(K)血症を引き起こす

尿細管機能異常

腎臓の尿細管は、カリウムを分泌したり再吸収したりする場所である。



近位尿細管はカリウムを再吸収する場所なので
機能異常により低カリウムを引き起こす。
(再吸収されないので・・・)

例えば:
アミノグリコシド系薬剤 (カナマイシン、ストレプトマイシンなど)
近尿細管の作用を抑えてしまうため低カリウム血症の原因となりうる。

食事や生活

・カリウムの摂取量が少ない
(食事量が少ない、野菜・果物不足など)

・下痢や嘔吐によるカリウム喪失

補足:アルドステロンとは?

血圧を上げる作用、腎臓からのカリウムを排泄する働きがある。
副腎皮質球状層で合成される。
体内の水と電解質代謝を調節している。

※アルドステロン症の例
・原発性アルドステロン症(副腎皮質の腫瘍など)
・続発性アルドステロン症(肝硬変、ネフローゼ、本態性高血圧など)

②原因薬剤など

・インスリン
・β2刺激薬
・一部の利尿剤(ループ系利尿薬、サイアザイド系利尿薬)
・芍薬甘草湯
・甲状腺ホルモン



ナトリウム・カリウムポンプを刺激する



細胞内にカリウムが移行する

※甲状腺機能亢進症の方は低カリウム血症注意する

③症状

「手足のだるさ」、「こわばり」、
「力がぬける感じ」、「筋肉痛」、「呼吸困難感」など

まず「脱力感」、「弛緩性麻痺」が起こる。
そのあとに、「神経過敏」、「昏睡」など重篤な状態になる。

※筋力低下や麻痺が起こるのは、カリウム値が2.5mEq/Lより低い時が多い。

出てくる症状の順序としては、独立行 政法人医薬品医療機器総合機構の説明も分かりやすいので見ておくと良い。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構の「低カリウム血症」の説明を抜粋(参考)

低カリウム血症の主な症状としては、
「手足の力が抜けたり弱くなったりする」があり、
これに次いで「手足 のだるさ」、「こわばり」、
「筋肉痛」、「麻痺」、「不整脈」などがあります。
症状が進むと、「体を動かすと息苦しくなる」、
「歩いたり走ったりできな くなる」、
「赤褐色の尿がでる」、
「尿がたくさん出たり、出にくくなった りする」、
「糖尿病が悪くなる」こともあります。

https://www.pmda.go.jp/files/000224788.