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栄養・サプリメント 薬物動態・相互作用

亜鉛と医薬品の相互作用について

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亜鉛が不足するとどうなるかは別記事でまとめている
今回は亜鉛との相互作用に注意が必要な医薬品だけに注目する
禁忌ではないので注意する程度だが知っておくと良い。

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①亜鉛って?

亜鉛はそもそも金属なので、マグネシウムやカルシウムといったものと似たような注意が必要である。
例えば、キレートを作りやすい薬剤などは注意する必要がある。
また、服用間隔を空けることで改善することもある。

②キレートを作るタイプの薬剤

D-ペニシラミン(メタルカプターゼ®)

同時服用は避ける必要がある。

添付文書上にも記載がある。
亜鉛を含有する経口剤
「同時投与した場合、本剤が吸収される前に亜鉛とキレート化され、本剤の吸収率が低下する可能性がある」

ビスホスホネート系薬剤

ビスホスホネート製剤:リセドロン(アクトネル®、ベネット®)、アレンドロン(フォサマック®、ボナロン®)、ミノドロン(ボノテオ®、リカルボン®)、イバンドロン(ボンビバ®)等

少なくとも30分経ってから服用する必要がある。

具体的に亜鉛という記載はないが添付文書に陽イオン金属との注意が記載されている。
「本剤は多価の陽イオン(Ca、Mg等)とキレートを形成することがあるので、併用すると本剤の吸収を低下させる。」

ニューキノロン系抗菌薬

トスフロキサシン(オゼックス®)、レボフロキサシン(クラビット®)等
レボフロキサシンなどはアルミニウムやマグネシウムの記載しかないが金属イオンは同じように注意が必要なはずである。
また、ニューキノロン系抗菌薬の場合は1~2時間間隔を空けるようにする。
添付文書にはキレートという記載だったり、錯体という記載だったりする。

③亜鉛と結合する薬剤(キレート以外)

ワルファリンカリウム(ワーファリン®)

添付文書に記載はないが、ワルファリンカリウムが亜鉛と結合して
双方とも吸収が減少する可能性がある。
ワルファリンカリウムを服用している人は、こっちの方が問題かもしれない。

④pHが関与する薬剤

H2遮断薬:ファモチジン(ガスター®)、ラフチジン(プロテカジン®)など
プロトンポンプ阻害薬(PPI):オメプラゾール(オメプラール®)、ランソプラゾール(タケプロン®)、ラベプラゾール(パリエット®)、エソメプラゾール(ネキシウム®)など

胃の中のpHが上がることで、亜鉛の吸収が低下すると言われている。
高齢者は、服用頻度の高い薬剤なので栄養状態が悪い場合は考慮してもいいかもしれない。亜鉛の摂取量を増やすなど工夫が必要だろう。

⑤排泄が促進する薬剤

ループ系利尿薬:フロセミド(ラシックス®)、アゾセミド(ダイアート®)、トラセミド(ルプラック®)
サイアザイド系利尿薬:トリクロルメチアジド(フルイトラン®)など

腎臓からの亜鉛の排泄が増加する可能性がある
金属イオンなどは腎排泄だということは知っておくと良い。
※リチウム製剤なども腎排泄

参考資料
メタルカプターゼ®添付文書
フォサマック®添付文書
レボフロキサシン(クラビット®)添付文書
健康食品と医薬品の相互作用(TOP/NET 東海四県情報システム委員会)