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感染症・抗菌薬

コンバントリン 錠(ピランテルパモ酸塩製剤)の特徴について~効能・用法用量・薬理作用~

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コンバントリン 錠(ピランテルパモ酸塩製剤)の特徴について簡単に整理する。
広域駆虫薬に分類されている。副作用はほとんどない。蟯虫自体の感染は昔ほどないかもしれないが、
無農薬野菜などを食べたりした場合に感染したりするらしい。時代の生活様式によって状況も変わるのかもしれない

①効能

「回虫、鉤虫、蟯虫、東洋毛様線虫の駆除」
※鞭虫には無効

おしりにペッタンとする
あの蟯虫検査で蟯虫が出た際に服用する薬
ペッタンとしなくても親が子どものお尻から
虫が・・・ニュルっと出てたりするのを発見することもある。
モゾモゾするらしい・・・ちょっと怖い

※駆虫率は・・・?
蟯虫症90.8%(177/195)
回虫症93.7%(252/269) 

②用法用量など

体重によって服用量が変わる

通常体重1kg当りピランテルとして10mgを1回経口投与する。
20kg→2錠、30kg→3錠、40kg→4錠、50kg以上→5錠
10kg→1包、20kg→2包、30kg→3包、40kg→4包、50kg以上→5包

※本剤は食事に関係なく投与することができ、また下剤を使用する必要はない。
→血中でほとんど検出されない

※仮に大量に摂取しても緊急性を要することはないと思われる

インタビューフォームにも下記のように記載がある。
「コンバントリンは消化管からは、殆ど吸収されないため、かなり大量を服用しても、まず毒性症状を来たすことはないと考えられる。 」

主な副作用:腹痛(1.34%)、頭痛(1.17%)、悪心・嘔吐(1.16%)

※投与は1回のみ

※10kgなどの低体重はDSのみ記載がある
※小児の注意点(下記)
「2歳未満の乳・小児に対する安全性は確立していないので、
2歳未満の乳・小児に投与する場合には、慎重に投与する こと。 」
→ダメとは記載されていない

投与は1回でよい?

幼若虫の駆虫は難しい?
心配の場合はもう一度服用する(10日後)

インタビューフォームより
「投与量は用法・用量に従い通常1回の投与でよいとされているが、幼若虫はその口腔が狭く薬剤の粒子が幼若虫の口から取り込まれにくく、そのため幼若虫に対しての効果はあまり期待できないといわれる。従って、それらの幼若虫がさらに成長した時点、つまり初回投薬10日後に再投薬を行い、完全駆虫をすることが望ましいとする影井らの説がある」

③薬理作用

インタビューフォームには以下の2つの作用が書かれている。
麻痺を起こし、運動機能を低下させる。

①虫体の神経接合部位に作用し、脱分極神経遮断を起こし、痙攣性の麻痺を生じる。

②コリンエステラーゼ抑制作用を有し、薬剤との共存下では1/100量のアセチルコリンにより回虫は拘縮を示す。

補足:拘縮(こうしゅく)
「関節包や靭帯を含めた関節周辺の組織が,なんらかの原因によって収縮して,他動運動が制限された状態」

参考資料
コンバントリン®添付文書、インタビューフォーム
今日の治療薬2019 解説と便覧
影井昇:日本医事新報(3586):136, 1993
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典