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むずむず脚症候群(レストレスレッグス・シンドローム、RLS)について~症状や原因等をざっくりと~

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むずむず脚症候群 (レストレスレッグス・シンドローム、RLS)について
症状や原因などについて簡単にまとめる。
おまけ;RLSとアカシジアの違いについて

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①むずむず脚症候群 について?

睡眠障害の1つである。
主として「睡眠時」や「安静時」に下肢の不快な耐えがたい感覚のために
じっとしていられず、不穏な運動を生じる疾患

補足

RLSの26.9%の人が「うつ」も併発している。
「高齢者」+「うつ」→RLSを疑う
不眠を訴える統合失調症→RLSを疑う
※高齢者や精神疾患を持つ方はRLSの可能性もあるということを知っておく。

②症状

座っている時や横になっているときに足(ときには腕)を動かしたい。
不快な下肢の感覚がある。
表面ではなく、骨のあたりがむずむずする。
足から腕、そして、体にうつる人もいる。

「安静」にすると症状が増悪し、「運動」することで改善する。

「ほてる」「痛い」「かゆい」「むずむずする」「ピクピクする」 など、
患者さんの表現は様々・・・

アカシジアと間違ってしまうこともある(違いは後述)。
症状には「日内変動」がある。
夜間にひどくなるので、睡眠障害になりやすいのだ。

③原因

ドパミンの機能異常や脳内の鉄が欠乏する。

ドパミン神経の機能低下する

RLSを引き起こす

鉄欠乏とドパミン機能

鉄を欠乏しやすいのは誰?

・胃切除の患者
・閉経前の女性 ・妊婦
・出血性の消化器疾患の患者
・血清フェリチン 50ng/ml 未満

鉄欠乏とドパミン機能について 詳しくは分かっていないらしい・・ ・

・ドパミン合成過程における
律速酵素であるチロシン水酸化酵素が
鉄を補因子として必要としていること

・鉄がドパミンD2受容体の構成要素

→上記2つの理由で鉄欠乏によってドパミンの機能が低下すると言われている

・ドパミンの活動や血清鉄は「夜間」に低値となる日内変動があるため、
むずむず脚症候群が夜間に悪化しやすい理由の1つと考えられる。

※MRIを用いた検討で線条体と赤核の鉄含量が、
RLS患者では低下しているとの報告がある。

補足

60~65%に家族歴がある(子供がRLSだと、母親が必ずRLS)
BTBD9遺伝子の変異が関与している。
血清フェリチンが低い人多い(50ng/mlが低値)
→女性に多い
→40代以降の中高年に多く、女性は男性の1.5倍
→45歳以降の方は血清フェリチンの関与が強いことが分かっている。

おまけ:RLSとアカシジアの違い

ポイント:運動すると改善するかどうかである

RLS

RLSの異常感覚は「安静時」や「睡眠時」に多い。
概日リズムがあり、「運動する」と改善する
※昼間も起こる人がいる
→そのためニュープロパッチ®など24時間の作用が大切

アカシジア

アカシジアの異常感覚は「いつでも」あり、
リズムがなく、運動で改善しない

参考資料
Allen RP, Barker PB, Wehri F et al : MRI measurement of brain iron in patients with restless legs syndrome. Neurology 56 : 263-265, 2001
異常値の出るメカニズム第4版