パイロニー 病とトコフェロールについて簡単に整理する。
パイロニー病は、ペロニー病ともいわれる。
泌尿器科の処方せんでユベラが記載されていて・・・もしも男性だったら・・
デリケートな病気かもしれないので服薬指導は丁寧に行うべきだろう
パイロニー病 とトコフェロールについて
1743年にFrancois Gigot la Peyronieが最初に報告した病気である。
パイロニー病 (Peryonie病)とは?
パイロニー病 (Peryonie病)は、「陰茎硬化症」や「形成性陰茎硬化症」と呼ばれることもある。
中高年の男性の陰茎海綿体にある白膜が硬いしこりになる病である。陰茎の中に炎症が起こり、繊維性の瘢痕が出来ると勃起時の陰茎が曲がってくる。炎症の原因は分かっていない
悪性ではなく良性である。
※瘢痕組織自体が、勃起時に大きくならないため曲がってしまうとのこと
南山堂大辞典からの引用
「パイロニー病:硬結は組織学的に膠様および弾力繊維からなり、炎症所見を欠如する。原因は未だ不明であるが、おもなものは外傷説、体質説(ケロイド体質)あるいはビタミン欠乏説などがあげられている。症状としては勃起時痛およびその際の陰茎陰茎幹に塊状あるいは板状の骨様または軟骨様の硬度を有する無痛性の硬結を触れる疾患で、主として陰茎背面に好発する。このの屈曲で、性生活に支障をきたすようになる。」
【問題となる症状】
勃起時の痛み、しこりの触知、陰茎弯曲、陰茎短縮、勃起障害など
※意外と悩んでいる人は多い。曲がってくるので恐怖である。
【治療法】
・自然治癒することもある(数か月かかることあり)
・EDや性生活に問題がなければ様子を見ることもある
・ビタミンEの内服薬
・トラニラストの内服薬
・非ステロイド性抗炎症薬(疼痛管理)
・カルシウム拮抗薬の注射
・手術
トコフェロール(ユベラ)について
【目的】
ケロイドを防止するために服用する
【期待される作用】
抗酸化作用、傷の治癒、瘢痕化の軽減作用があると言われている
【添付文書上の効能・効果】
「末梢循環障害」
※他にも肥厚性瘢痕やケロイドに使われるトラニラストも一緒に処方されることがある。
トラニラストには抗炎症作用がある
※米国泌尿器科学会では、トコフェロールなどの内服薬は推奨されていない。
日本では、ケロイド防止の目的で処方される
参考資料
南山堂医学大辞典 P.1662
AUA Releases New Clinical Guideline on the Diagnosis and Treatment of Peyronie’s Disease
ユベラ、添付文書