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精神科

トラゾドン (デジレル/レスリン)の特徴について

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トラゾドン (デジレル/レスリン)の特徴について簡単に整理する。
セトロニン遮断再取り込み阻害薬であり、SARIと記載されることがある。

SARI : Serotonin 2 Antagonist and Reuptake Inhibitor

トラゾドン (デジレル/レスリン)の特徴

単環系のうつ薬とも言われる。抗セロトニン作用が強い。
熟眠障害などの頑固な不眠に使われる。うつ病性の不眠に催眠鎮静作用のあるうつ薬が処方されることがある。トラゾドンもその1つである。

効能・効果

「うつ病、うつ状態」

※うつ状態を伴う不眠症に使われることがある

用法・用量

「トラゾドン塩酸塩として、通常、成人には1日75~100mgを初期用量とし、 1日200mgまで増量し、1~数回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」

※うつ状態の不眠症に使う場合は、25mgから100mgと比較的少量なことが多い

作用機序・薬理作用

5-HT2受容体拮抗作用と選択的5-HT再取り込み阻害作用により抗うつ効果を示す。
セロトニンがメインであり、ノルアドレナリンの再取り込み作用はない。
抗セロトニン作用は強い。睡眠維持や睡眠時間延長などの効果が期待できる。

※抗コリン作用は弱い。
※うつ病患者において 5-HT2受容体拮抗作用により徐波睡眠を増やすことが示されている
ただし、睡眠導入・維持、睡眠深度の増強は四環系抗うつ薬やNaSSAほどは強くない。

副作用

よくある副作用は、「眠気」、「めまい」、「ふらつき」、「口渇」などである。
下記に再審査終了時のデータを載せる

「調査症例数 7,419例中、副作用発現症例 1,122例(15.1%)であり、副作用発現件数は延べ 1,585 件であった。その主なものは、眠気321件(4.33%)、めまい・ふらつき270件(3.64%)、口渇215件(2.90%)、便秘134 件(1.81%)等であった。(再審査終了時)」

※翌朝への持ち越しには十分注意すること
※運転などは控える必要がある
※稀に持続性勃起が起こる

特徴

・急な中止はせず、徐々に減らしていく必要がある
→嘔気、頭痛、倦怠感、不安、睡眠障害等の離脱症状が起こりうる。

・高齢者に比較的安全に使える。ただし脱力感や脱力に注意する必要がある
→めまいやパーキンソン症候群では注意が必要

・SSRIが原因の不眠に有効
※SSRIやSNRIがセロトニン2A受容体刺激により不眠を引き起こすことがある

参考資料
デジレル、添付文書、インタビューフォーム
レスリン、添付文書、、インタビューフォーム