イソプロパノール の特徴について簡単に整理する。
エタノールが手に入りにくい時など、エタノールの代わりにイソプロパノールはどうか?という話が出たりする。
違いなどを簡単にまとめる。
イソプロパノール の特徴
第二級のアルコールであり、2-プロパノールとも呼ばれている。
ちなみにエタノールは第一級アルコールである。
エタノールと同等の効果がある!
ノロウイルスやロタウイルスの場合は、エタノールを使うと良い
作用機序
・タンパク質の変性作用
・代謝障害作用
・溶菌作用
などがある。
どれくらい効果があるの?
細菌芽胞を除くすべての微生物に効果がある。スペクトルが広く速効性が期待できる。
具体的には、一般的な細菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、腸管出血性大腸菌、結核菌、B型肝炎ウイルス、HIVなどにも効果を示すことが分かっている。
細胞芽胞と言えば、クロストリジウム・ディフィシルには無効である。
イソプロパノールはエタノールとほぼ同等の消毒効果を発揮することが分かっている。
50%から70%が売られているが、70%の方が効果は高い。
※ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス等では、エタノールに比べて効果が劣る。この場合は、エタノールを選択するようにすること。
※ノロウイルスの可能性がある冬場などは注意が必要。
用途
医療現場では、
「手指・皮膚の消毒、医療機器の消毒」に使われる。
※意外と医療現場以外で使われるケースは多い
•眼鏡のレンズクリーナー
•自動車の燃料タンクの水抜き剤
他には、脱脂作用を利用して塗装を落とすのに使うこともある。
その他の特徴
・脱脂作用が強いため手が荒れやすい
・揮発性が高く乾きやすい
・エタノールのように酒税がかからないので安価である。安い!
参考資料
Valenti WM(ed): AIDS: problem solving in infection control. Universal precautions: Part 2. Am J Infect Control 17: 39-41, 1989.
Koo D, et al: Epidemic keratoconjunctivitis in a university medical center ophthalmology clinic: Need for re-evaluation of the design and disinfection of instruments. Infect Control Hosp Epidemiol 10: 547-552, 1989.
Garrison RF: Acute poisoning from use of isopropyl alcohol in tepid sponging. JAMA 152: 317-318, 1953.
イソプロパノール「カネイチ」、添付文書