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抗腫瘍薬

アーリーダ (アパルタミド)の特徴についてざっくりと

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アーリーダ (アパルタミド)の特徴についてざっくりと解説する。
前立腺がんの方に出される薬である。
前立腺がんは高齢者に多くゆっくり進行するイメージのがん

アーリーダ (アパルタミド)の特徴

皮疹に注意しながら服用する必要がある。

効能効果

「○遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
○遠隔転移を有する前立腺癌」

※上記は、非転移性/去勢抵抗性

用法用量

「通常、成人にはアパルタミドとして1日1回240mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」

※通常は1回4錠服用する
※副作用の程度により減量する

作用機序・薬理作用

ホルモン療法の1つである。
前立腺がんの多くは男性ホルモン依存性で
アンドロゲンが「がん細胞内」のアンドロゲン受容体に結合することで前立腺がんの細胞が増える。
アーリーダは、アンドロゲンがアンドロゲン受容体へ結合することを阻害することで
がん細胞の増殖を抑えることが出来る。

※前立腺がん細胞においてもアンドロゲンが作られていることが分かっており、前立腺がん細胞からのアンドロゲン作用も防ぐ作用がある。

【指導の例】
「ホルモンの作用を抑えることで、がん細胞の増殖をブロックして死亡リスクを下げる薬」
「効果の目安としてはPSAの低下を見ることで分かる薬」
※PSA0.2を目指す
※退縮作用あり
※基本的には、PSAが下がってもずっと飲む薬である。場合によっては別の治療法に切り替わる

副作用

【頻度がもっとも多いもの:薬疹、皮疹】
➡すべての症例ではないが・・・8~10週目に多い(服用直ぐではない)。1週間後から増え始めて6か月以内に起こりやすい
➡症状を色々含めると約半数の人に生じる。痛みや痒みを感じる
➡対策としては、保湿、抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬
➡患者自身に毎日皮膚の状態を確認してもらうことが大切

【頻度が高いもの】
食欲減退、ほてり、疲労、悪心、下痢など

インタビューフォームより引用
「重大な副作用として痙攣発作、心臓障害、重度の皮膚障害、薬剤性過敏症症候群、間質性肺疾患が報告されている。主な副作用(5%以上)は、食欲減退、皮疹、そう痒症、ほてり、悪心、下痢、疲労であった。」

飲み忘れた場合の対応

○服用予定時間から12時間以内に気づいた場合は、思い出した時に1錠服用。次回は通常通り服用すること。
○服用予定時間から12時間超えた場合は、1回飛ばして次回から服用すること

その他の特徴

▶けいれん発作を起こすことがあるので自転車や自動車の運転には注意
▶新型コロナウイルス治療薬であるパキロビット、ゾコーバは一緒に服用出来ない
▶一包化、OK、出来る(アーリーダのみの分包を推奨)
▶粉砕不可、出来ない(データなし:2024年時点)
▶同効薬であるアステラスのイクスタンジ(エンザルタミド)は中枢移行性が高い(倦怠感や食欲不振の副作用が多い)。アーリーダは、中枢移行性を改善して組織移行性が高めている。代わりに皮疹の副作用が多い。

参考資料
アーリーダ、添付文書、インタビューフォーム
メーカー勉強会、問い合わせ