" />

精神科

悪性症候群(Neuroleptic Malignant Syndorome:N MS)とセロトニン症候群の違い?について~鑑別は厳しい~

スポンサーリンク

鑑別に関しては、はっきり言って分からない。
医師の判断が大切になっているが、教科書的な違いを知っておくと
よいと思うのでざっくりとまとめる。
発現の時期や治療が主に違う。

悪性症候群は向精神薬における副作用で最も重篤だと言われている

①悪性症候群(Neuroleptic Malignant Syndorome:NMS)

原因薬剤

・抗精神病薬:ドパミン拮抗薬
・ドパミン作動薬の中断

※栄養状態の不良や脱水も引き金になることがある

メカニズム・注意すべき時期

脳内でのドパミン急激な上昇が原因と言われている。

•向精神病薬(特に抗精神病薬)の治療中に生じる
•投与開始時
•薬剤増量時
•薬剤(パーキンソン治療薬・ドパミン作動薬や抗不安薬)の中止時など注意

※多くの場合
抗精神病薬の開始時に起こる

・早発型:数時間から2週間以内(数日から数週間)
・遅発型:1ヶ月を越える発症(5%以下)



早期が特に注意が必要だが・・・
1ヶ月くらいまでは投与開始の際はフォロー必要
(服薬指導の際にも副作用のチェック)

※回復自体は徐々にする(9日程度)

症状

・解熱薬に反応しない38℃以上の高熱
・けいれん・振戦(ふるえ)
・発汗・頻脈
・血清CK上昇(筋肉が破壊されている)
・白血球増加
・代謝性アシドーシス
・嚥下障害
など

※セロトニン症候群とは類似する。
※治療法が異なるので鑑別が必要

治療薬

すべての向精神薬を中止し、輸液などの対応をする。
また下記の薬剤を用いる。
・ダントロレンナトリウム、
・ドパミン作動薬

※セロトニン拮抗薬は理論上効果がないと思われる

②セロトニン症候群

原因薬剤

・セロトニン作用薬の追加,、増量、急速な中断
・SSRIの大量服用
・多剤併用
・炭酸リチウムなどとの併用

※セロトニン作用薬 (リチウム、SSRI、トリプタン系薬剤など)

メカニズム・注意すべき時期

脳内における細胞外のセロトニン濃度が急速に高くなることにより生じる。

症状の発現は、
数分から数時間で起こる。
症状は24時間以内に改善することが多い

症状

精神状態の変化(錯乱・焦燥)、興奮、ミオクローヌス、反射亢進
、発汗、悪寒、振戦、下痢、増調運動障害、発熱
・・・たくさんある!

※覚えやすい?ようにざっくり分けてみると
・胃腸系→痙攣、腹部の張り、下痢
・精神系→躁病様、気分高まり、機嫌が悪い、錯乱
・神経系→細かい振戦・ふるえ
・心臓・血管系→頻脈・高血圧
・その他 発汗、発熱、あごや歯をガチガチさせる

つまり、
「非常にハイで心臓・神経の機能が亢進している状態」

治療薬

セロトニン拮抗薬
※ドパミン作動薬では悪化する可能性がある。