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糖尿病・糖尿病治療薬

セマグルチド 錠(リベルサス®)の保険上の注意点について

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セマグルチド 錠の保険上の注意点について簡単にまとめる

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セマグルチド錠(リベルサス®)の特徴について 

セマグルチド錠(リベルサス®)の製剤的工夫とインクレチンホルモン(GLP-1)について

①セマグルチド 錠(リベルサス®)の保険上の注意点

DPP-4阻害剤との併用は避ける

薬理作用的に被る部分があるので併用は避けるようにする。
地域的な差も出てくるかもしれないので今後も調べたいと思う。

添付文書上にも併用についての記載がある
「本剤とDPP-4阻害剤はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない」

※糖尿病治療ガイド【2020-2021】でも
「DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬との併用は行わない」と記載されている。

14mgで使用する際の注意

最大用量として14mgが設定されている。
製剤としては、3mg、7mg、14mgがあるが、14mgの場合
7mgを2錠として処方することは出来ない。
保険請求でも切られる可能性が高いので避けること

※別記事でもまとめているが
吸収促進剤であるSNACの量が多くなることで逆に吸収が落ちてしまうから。
1錠に対してSNACが300mg入っている。

セマグルチド錠(リベルサス®)の製剤的工夫とインクレチンホルモン(GLP-1)について

基本的に第一選択薬ではない

ガイドライン上、第一選択薬ではないので注意する。
他の経口血糖降下薬をしている患者に対して処方するのは問題ない。

しかし、他の経口血糖降下薬を投与していない患者にセマグルチド錠(リベルサス®)を処方する場合は、セマグルチド錠(リベルサス®)の投与が必要と判断した理由を「診療報酬明細書」に記載する必要がある。「コメント」を必ず入れるようにすること。
薬局でも初めての糖尿病治療薬がセマグルチド錠(リベルサス®)だった場合、
理由を疑義照会で確認する必要があるだろう。

②適応外使用の注意

最近GLP-1受容体作動薬は、美容関係のダイエットにいいのでは?
ということで適応外に使用されるケースがある。
実は、かなり危険ということで日本糖尿病学会からも注意喚起が出されている。
安全性が分からないまま使わないように・・・・
たしかに「体重が減る」とか「食欲が減る」とか効果が示されているが
あくまでも「2型糖尿病」の人に対する薬剤であることを忘れないように。

GLP-1 受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解も出ているので
原文を載せる。

「今般、一部のクリニック等において、2 型糖尿病治療薬である GLP-1 受容体作動薬を、適応外使用である美容・痩身・ダイエット等を目的として自由診療での処方を宣伝する医療広告が散見されます。我が国において 2020 年 7 月時点で、一部の GLP-1 受容体作動薬については、健康障害リスクの高い肥満症患者に対する臨床試験が実施されていますが、その結果はまだ出ていません。したがって、2 型糖尿病治療以外を適応症として承認された GLP1 受容体作動薬は存在せず、美容・痩身・ダイエット等を目的とする適応外使用に関して、2 型糖尿病を有さない日本人における安全性と有効性は確認されていません。医師とくに本学会員においては、不適切な薬物療法によって患者さんの健康を脅かす危険を常に念頭に置き、誤解を招きかねない不適切な広告表示を厳に戒め、国内承認状況を踏まえた薬剤の適正な処方を行ってください。また、特に本学会専門医による不適切な薬剤使用の推奨は、糖尿病専門医に対する国民の信頼を毀損するもので本学会として認められるものでないことを警告します」

参考資料
日本糖尿病学会:糖尿病治療ガイド2020-2021.2020:35-40,文光堂
日本糖尿病学会:GLP-1受容体作動薬適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解
2020年7月9日
セマグルチド錠(リベルサス®)、添付文書、インタビューフォーム