①漢方的鼻炎の考え方と気をつけたい食べ物について
病態としての鼻炎
漢方としては「水毒」の状態であり、水分のバランスが崩れている
(厳密には違うが、イメージだけ・・・)
「水」が体の中に溜まって排泄がうまくできなくなる。
また、過剰な「水」が体の免疫力を低下させ、
その「水」を出そうと体の「気」が働いて、「鼻水」や「くしゃみ」といった
症状となる
食べ物と漢方の「水」
漢方的には食べ物により 「水毒」が悪化するという考え方がある。
言われているのが「甘いもの」は「水」を悪化させる
※漢方でいう「水」とは、イメージとしては
体に必要なすべての水分のこと
服薬指導時のワンポイント
鼻炎気味や鼻炎で悩んでいる人に対して
「お菓子」や「果物」を食べ過ぎないように指導してはどうだろう。
秋など果物を食べ過ぎる人や間食が多い人は、薬歴に記載して
時期など工夫して指導してはどうだろうか
②葛根湯加川芎辛夷と葛根湯の違いは?
葛根湯加川芎辛夷の構成生薬
葛根(かっこん) 麻黄(まおう) 大棗(たいそう) 桂皮(けいひ) 芍薬(しゃくやく) 甘草(かんぞう) 生姜(しょうきょう)
川芎(せんきゅう) 辛夷(しんい)
有名な葛根湯に「川芎」と「辛夷」を加えたものである。
葛根湯との違い
「川芎」→頭痛・排膿に効果がある。
「辛夷」→鼻づまりに効果がある
どんな人に?
首筋や肩のこわばりを訴え、同時に鼻づまり、頭痛などを訴えるものに適する。
蓄膿症などにも用いる(部位は上焦)。
鼻炎より副鼻腔炎・蓄膿症に用いられてきた。
※ツムラ葛根湯加川芎辛夷の効能・効果(引用)
「鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎」
※ツムラ葛根湯の効能・効果(引用)
「自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあ るものの次の諸症: 感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中 耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、 じんましん」
葛根湯の方が詳しい記載・・・差が激しいような・・・
詳細
川芎と辛夷の漢方上の味の分類は「辛味」
「辛味」には発散作用がある!!
川芎は血の巡りを良くしたり頭痛を改善する。
辛夷には、管の通りを良くする作用がある。
また、2つを重ねることで特に「鼻の炎症を抑える作用」となる。
補足
多量の水様で透明な鼻水が多い場合は、
小青竜湯を併用する先生もいる。
ざっくり言うと、小青竜湯は肺(胸)から上の症状に用いる。
参考資料・文献
ツムラ葛根湯添付文書
ツムラ葛根湯加川芎辛夷 添付文書
ツムラ小青竜湯 添付文書