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皮膚科

尋常性白斑 と治療薬~ステロイド外用とタクロリムス軟膏(プロトピック®)~

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尋常性白斑 と治療薬について簡単に整理する。ステロイド外用とタクロリムス軟膏(プロトピック®)である。
タクロリムスの適応外使用の例である。

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タクロリムス軟膏 (プロトピック®)の特徴・副作用について~ステロイドとの違いもざっくりと~

①尋常性白斑 について

白斑・白皮症は広義の色素異常症に分類される。
 先天性、後天性の病態、疾患が知られ、完全ないし不完全色素脱失を呈する。

「尋常性白斑」は最も高頻度に生じる後天性白斑・白皮症である。
 治療抵抗性で再発頻度も高い難治性の疾患である。

「尋常性白斑」は白斑を呈する全ての疾患の「約60%」 を占める。
最も頻度の高い色素異常症であり、臨床的に最も重要な疾患の1つである。

「後天性脱色素斑」の代表が「尋常性白斑」であり、
人種差はあるものの全人口の約0.5~1%が罹患しているといわれる
後天性難治性脱色素疾患である。

②治療薬のガイドライン上の推奨度

ステロイド外用薬

推奨度レベルA-B

尋常性白斑の治療にステロイド外用は有効である。

タクロリムス軟膏(プロトピック®)

推奨度レベルB

治療効果が高い可能性はあるが、長期安全性は不明であり、
3~4 カ月を目処に効果判定を行う。

③治療薬について

ステロイド外用薬

分節型か限局した非分節型(全身の2-3% 以下)第一選択薬である。
ステロイド外用療法は尋常性白斑の治療に最も広く行われており、
体表面積が10~20% 以下の白斑においては治療の第一選択薬となりえる。
エビデンスとしては、限局型の白斑に使用した場合。75%以上の色素再生を有効
皮膚萎縮などの長期ステロイド外用の副作用に注意しながら治療を進める。

※開始2 カ月間までに効果が見られないときには 他の治療法に変更したほうが良い

※適応症としてあるもの(全てにあるわけではない)
トプシム®(ベリーストロング)
ドレニゾンテープ®(ストロング)

③タクロリムス軟膏(プロトピック®)

タクロリムス局所投与の有効性を報告した海外の論文が多数みられる。
外用頻度に関しては、同一患者で1 日1 回より2回の方がよいというデータがある。

なぜ効くのか?

尋常性白斑は、メラノサイトの消失あるいはメラニン色素生成機能の停止による
色素脱失する後天性の皮膚疾患である。
A型(汎発型と限局型を含む)とB型(神経分節型)がある。
原因は明らかでないが、A型はT細胞を介した自己免疫性の病態とされている。

T細胞活性化を抑制するためにタクロリムス軟膏が使用される。(保険適応外)

補足

無作為二重盲検比較試験では,白斑を有する小児20例の左右対称の病変に対して、 0.1%タクロリムス軟膏と0.05%プロピオン酸クロベタゾールクリーム(strongest)
が投与された。 タクロリムスはクロベタゾールと同等の効果を示し、
ステロイドの副作用である周囲の「色素増強」「皮膚萎縮」「毛細血管拡張」などは認められなかった。 

参考資料
尋常性白斑診療ガイドライン
薬事情報センターに寄せられた質疑・応答の紹介(2006年11月)
トプシム®添付文書
ドレニゾン®テープ添付文書
プロトピック®添付文書、インタビューフォーム