おまけ:その他の持続型インスリンとの違い(少し)
①空打ちについて
ランタス®XRソロスターの空打ちは「3単位が正しい」
ただ、服薬指導をしていたら患者さんから
「先生から2単位と聞いている」という方がいた。
どういうことだろうか・・・
先生が「3単位」のところを「2単位」と勘違いしているのだろうか?
そんなはずはないだろう 。
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メーカーに聞いてみた。
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メーカーとしてはオススメしていないが「2単位」と説明するケースはあるらしい。
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どういうとき?
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元々別のインスリンを使っていて切り替えた際
改めて「3単位」と説明すると勘違いしたり混乱するためとのこと
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では「2単位」でもいいの?
ランタス®XRは元来のランタスの3倍濃縮なので 液量が3分の1になっている。
そのため、液が出ているか分かりにくいため「3単位」に設定している とのこと
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液が出ているのが分かれば正直2単位でも大丈夫。
つまり、ケースによって必ずしも3単位の指導が正しいとは限らない
患者さんが医師や病院でどう指導を受けたかを しっかり聞き取り、
その都度、空打ちをしているか 空打ちの意味を伝える必要がある。
補足
ランタス®からランタス®XRの切り替え
基本的には、単位数は変えなくてよい
※ランタス®からランタスXRへの切り替え時は、
血糖値の上昇がみら れることがあるので注意
②ランタス®XRの特徴
ランタス®との違い
インタビューフォームが分かりやすいので抜粋
「ランタスXR は、現在市販されているインスリン グラルギン100単位/mL 製剤(ランタス) と同一の有効成分を持ち、その有効成分の濃度を3倍にした製剤である。濃度を高くして注射液量を少なくすることで、皮下の無晶性沈殿物の単位量あたりの表面積が小さくなり、投与部位からのインスリングラルギンの吸収がより緩やかになるため、ランタスよりも平坦で持続 的な薬物動態及び薬力学プロファイルとなり、24時間以上にわたり安定した血糖降下作用を示すと考えられる。」
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ランタス®の3倍濃縮されている
吸収が緩やかで効果が安定している
作用時間がより長く、ピークがほとんどない
その他
・使用開始後の使用期限
ランタス®→4週間
ランタス®XR→6週間
・ランタス®よりも低血糖の発現低く、体重の影響が少ないタイプ
おまけ:その他の持続型インスリンとの違い(少し)
・使用開始後の使用期限が一番長いのは、トレシーバ®の8週間
・注射時の痛みが少ないものは、
レベミル®、トレシーバ®だと言われている(pHが中性)
ランタス®XR、インスリングラルギンBSは酸性である。
・レベミル®は、血中濃度のピークがあり、効果時間も24時間は怪しい。
夜に注射した場合、夜から朝への低血糖が問題となることがあるので注意
(最大効果発現時間3~14時間)
参考資料
ランタス®、ランタス®XR、レベミル®、トレシーバ®
インスリングラルギンBS「リリー」
添付文書、インタビューフォーム