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生薬・漢方薬

抑肝散と釣藤散の違い?についてざっくりと~認知症にも使われる漢方~

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どちらが作用が強いとかそういう問題ではない。
色々な古典を読んだりするが非常に難しい。
追記や変更をする可能性あり

釣藤鈎についてはこちらを参照

①釣藤散

構成生薬

釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)、
麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、人参(ニンジン)、
防風(ボウフウ)、菊花(キクカ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、石膏(セッコウ)

効能効果

添付文書
「慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向のあるもの」

古典を読むと、この場合の頭痛は激しいものではなく頭重感の側面が強い。
早朝に頭が重い感じがあり、日中気にならなくなる人によく効くと言われている

気が頭部に上昇して起こる症状
(怒りっぽい、のぼせ、耳鳴り、不眠、めまいなど)
を鎮静鎮痙作用で気を下げて治す

脳血管障害からくる認知症に効果があるという報告がある
その他、脳血流改善作用など

部分的に注目

・「石膏」→強い寒性作用があるので熱証に用いる

・「菊花」→鎮痛、鎮静、消炎作用
→上焦の気滞、特に目の疾患に用いる

・「防風」→鎮静、鎮痙作用
→上焦の気滞、頭痛、めまいに効果がある

・「釣藤鈎」+「菊花」+「防風」
→上部(頭部)にたまった気を巡らして、熱を冷ます
→中枢の興奮を静める

また、
「陳皮」「半夏」→痰をサラサラにする作用
「茯苓」→利水、鎮静作用
「人参」「生姜」「甘草」→健胃作用

②抑肝散

構成生薬

当帰(トウキ)、 釣藤鈎(チョウトウコウ)、川芎(センキュウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、柴胡(サイコ)、甘草(カンゾウ)

効能効果

添付文書
「虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:
神経症、不眠症、小児夜なき、小児府症」

元々、小児用の薬として開発されている。
小児のひきつけに使われていたが年齢関係なく効果がある

最近では、認知症の周辺症状(陽性症状)に用いる
陽性症状:「怒り」「暴言」「徘徊」など

部分的に注目

・肝気の昂ぶりに用いることから
→体の中の熱・裏熱証
※実証傾向の方が対象になることが多い

・「柴胡」→「胸脇苦満」を治す
→胸から脇にかけての苦満感
→胸から脇にかけて張った感じがして押すと抵抗と圧痛を訴える
→「気鬱」で胸部に圧迫感がある場合

・「柴胡」+「釣藤鈎」
→胸脇苦満を治す作用が加わっているため、
釣藤散の鎮痙作用が強くなっている

・「当期」+「川芎」
→血虚傾向
→「肝」の血流を補う

・「蒼朮」+「茯苓」
→水滞を治す。「茯苓」には鎮静作用もある

腹証としては、左側の腹筋の緊張が昔から言われている。
釣藤散の方が腹力が弱いのが普通である。

抑肝散と抑肝散加陳皮半夏の違いについて

参考資料
ツムラ抑肝散添付文書
ツムラ釣藤散添付文書