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抗腫瘍薬 産科・婦人科

タモキシフェン(ノルバデックス®)(ホルモン療法)による副作用(ホットフラッシュ、性器、血栓関連)と対策

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関連記事
タモキシフェンはずっと飲むのか?は下記を参照
https://mibyou-pharmacist.com/2019/09/11/タモキシフェンはずっと飲むのか?/

①ホットフラッシュ

血液中のエストロゲンが少なくなり、体温調節がうまくいかないために起こると言われている。更年期障害の1つの症状として知られているが、
タモキシフェンは、エストロゲンを抑えるので同じ症状が起こる

※ホルモン療法を行っている人の50%くらいに見られる
※だんだん楽になることがある

症状

「突然,かっと暑くなる」「汗をかく」「胸から顔面にかけて赤くなる」
「動悸」「不安」「睡眠障害」など

対策

服装で体温調節をしっかりする
運動を行う
どうしても無理な時は薬を服用する
パロキセチン、ガバペンチンなど

※更年期でホットフラッシュが起こる場合
ホルモン補充療法を行うことがあるが、乳がんの方には再発可能性があるため
避けたほうが良い。

※閉経後であれば
アロマターぜ阻害剤の方が、ホットフラッシュの頻度が低いので
変更するのもよい

②性器関連

性器の出血、膣炎、膣分泌の増加、膣の乾燥など
タモキシフェンの内服で閉経後は、子宮体がんのリスクが上がるが、
乳がんの再発予防のメリットの方が大きい。(ガイドラインにも書かれている)
ガイドラインには、800人に1人程度が800人に2~3人と書かれている。
倍率的には大きいが、頻度はあまり変わらない程度
(5年間のタモキシフェン内服により)

※閉経前の方では、子宮体がんのデータが増えるというデータはない

※ノルバデックス®添付文書より
「本剤の投与により子宮体癌、子宮肉腫、子宮内膜ポリープ、子宮 内膜増殖症、子宮内膜症がみられることがあるので、本剤投与中及び投与終了後の患者は定期的に検査を行うことが望ましい。ま た、不正出血等の異常な婦人科学的症状がみられた場合には直ちに検査を行うなど適切な処置を行うこと」

③血栓関連

タモキシフェンは、下肢に血栓ができることがあるので
静脈血栓症の既往が人には使いにくい。

※ノルバデックス®添付文書より
「血栓塞栓症、静脈炎(0.1~5%未満):
本剤の投与により、肺塞栓症、下肢静脈血栓症、脳血栓症、下肢血栓性静脈炎等の血栓塞栓症、静脈炎があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止 し、適切な処置を行うこと。なお、細胞毒性を有する抗癌剤との併用で血栓塞栓症の危険性を増大させるおそれがあるので、投与にあたっては十分に観察すること。」

※女性ホルモンとホルモンは下記を参照
http://女性ホルモンと血栓について~ラロキシフェン(エビスタ®)についてもざっくりと~

④よくある副作用(添付文書より)

「使用成績調査症例3,762例中312例(8.29%)に副作用が報告された。
主な副作用は、無月経、月経異常等の女性生殖器系が3.18%(120/ 3,762)、
悪心・嘔吐、食欲不振等の胃腸系障害が1.51%(57/3,762)であった。
(再審査終了時)」

胃腸関連と女性器関連が多いが、他にも副作用は様々あるので注意すること

参考資料
患者さんのための乳がん診療ガイドライン2016
ノルバデックス®添付文書