①「生食用」と「加熱用」の違いって?
「鮮度」ではなく「海域指定」の問題である。
誰が指定するの?
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実は、保健所が「どこの海から海まで」が「生食用」とか決める。
基本的には、海岸や下水が流れてこない綺麗な場所を指定する。
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離れたところが「生食用」となる。
※牡蠣は1日300Lの海水を吸い込むので周りの
プランクトンなどに影響を受ける 。
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「生食用」は取ってから2~3日、消毒した海水にいれて出荷するんだとか
本当にノロウイルスがいないか分からないですよね!?
おそろしい・・・
加熱方法(調理)
一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。
ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝(牡蠣)の食品の場合は、
中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれる 。
②ノロウイルスについて(感染性胃腸炎の原因の1つ)
原因治療はなく、対症療法のみ。
症状
潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間
「吐き気」、「嘔吐」、「下痢」、「腹痛」
感染して胃腸炎になり1~2日で症状がおさまる人もいる。
しかし、1~4週間便にウイルスがいることも・・・ かなり迷惑。
ノロウイルスは少ない量で感染するので、 上記症状で汚染されるとすぐ感染してしまう。
※飛沫感染や人から人への直接感染
治療方法
とくにノロウイルスに直接作用するようなものはない。
小児や高齢者は脱水の危険があるので輸液や経口補水液などの対症療法
OS‐1などを摂るように。
消毒方法
次亜塩素酸ナトリウムや加熱(熱湯85℃以上で1分以上)
次亜塩素酸ナトリウムの使用が困難な場合は?
エタノールを用いる(2016年頃から効果があるという報告がある)
金属(腐敗)、脱色(衣類)、皮膚刺激、木材(次亜塩素酸ナトリウムの効果が落ちる)など
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十分量のエタノールを用いると良い
二度拭きをする。
※一度拭いて、15秒経過後に二度目を行う
※80v/v%エタノール含有速乾性手指消毒薬の適用は手指に付着しているノロウイルスを10分の1程度に不活化できる
施設や小学校で発生した場合
① 汚物(おう吐物、ふん便)は、布やペーパータオル等で外側から内側に向けて、 汚れた面を折り込みながら静かにぬぐう
② 使用した布やペーパータオル等は、すぐにビニール袋に入れ、処分する。
③ おう吐物・ふん便は、塩素系消毒液(0.1%次亜塩素酸ナトリウム)で処理。
汚染が付着した床、ドアノブ、便座、玩具等は、塩素系消毒液(0.02%次亜塩素酸ナトリウム)を染み込ませた布やペーパータオル等で覆うか、浸すようにふく。
④ 塩素系消毒液は、鉄等の金属を腐食させるのでふき取って10分程経ったら水ぶきをする。
ノロウイルス対策~消毒液つくり方~
施設の方とのやり取りや学校薬剤師として知っておくべきこと
消毒液のつくり方
十分に洗浄したペットボトルの空き容器を使うと簡単に作れる。
次亜塩素酸ナトリウム(ハイターの場合:塩素濃度約5%)
次亜塩素酸ナトリウム(ハイターの場合:塩素濃度約5%)0.02%の消毒液(200ppm)
ペットボトルのキャップ約半分(2ml)に水を加えて全量を500mlとする。
あるいは キャップ2杯をペットボトルに入れて、水を加えて全量を2Lにする。
0.1%の消毒液(1000ppm)
ペットボトルのキャップ2杯から2.5杯(10ml)に水を加えて全量を500mlとする。
※このように希釈した塩素剤は時間が経つにつれて効果が減るため
作り置きはせず、使用する都度調製すること
※施設によっては劣化を恐れて5倍くらいで作るところもある。
いいのだろうか・・・
補足(小ネタ)
次亜塩素酸ナトリウムやポピドンヨードは金属を錆びさせる。
次亜塩素酸ナトリウムは、血液や体液で効果が落ちる。
参考資料
厚生労働省:ノロウイルスに関するQ&A
日本薬剤師会:防ごう!ノロウイルス感染 21.1.30
ノロウイルスの消毒~エタノールの使い方を中心に~
Y's