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整形外科・骨

イバンドロン酸(ボンビバ®)の服用後60分以上あける理由~他は30分以上なのに~

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月1回服用のビスホスホネート製剤
錠剤と静注の2種類の製剤があり、今回は錠剤について取り上げる
服用後、他のビスホスホネート製剤は30分空ければいいのに・・・
なぜ60分空ける必要があるのか?
とくに他剤からボンビバ®に切り替える際は、
患者さんにも説明する必要があるだろう

①用法用量の記載

「通常、成人にはイバンドロン酸として100mgを1カ月に1回、 起床時に十分量(約180mL)の水とともに経口投与する。なお、服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けること。」

→少なくとも60分はあける必要がある・・・(他の同効薬は30分なのに)
→なぜ?
→「AUC」と「骨密度の変化量」のデータから服用後60分絶食となっている

②詳細

AUCの比較試験

服用後60分絶食AUC>服用後30分絶食AUC
60分空けた方が効果が見込める

インタビューフォームに載っているデータは下記の2つ

「閉経後健康成人女性に、イバンドロン酸として2.5mgを服用後、30分又は60分絶食するクロスオーバー比較試験を実施した(各投与のウォッシュアウト期間は少なくとも1週間)。
血清中イバンドロン酸の最終観察時点までの血清中薬物濃度-時間曲線下面積(AUClast、平均値±標準偏差)は服用後60分絶食では1.40±0.774ng・h/mLであり、30分絶食の1.12±0.950ng・h/mLに比べて高値を示した。」

「健康成人男性及び閉経後健康成人女性に、
イバンドロン酸として50mgを服用後、 30分又は60分絶食する
クロスオーバー比較試験を実施した
(各投与のウォッシュアウト期間は少なくとも1週間)。
血清中イバンドロン酸のAUClast(平均値±標準偏差)は服用後60分絶食では16.0±15.6ng・h/mLであり、30分絶食の11.1±23.5ng・h/mLに比べて高値を示した。」

骨密度変化量

服用後60分絶食>服用後30分絶食

下記の部位において変化量が上回ったデータがある。
腰椎L1‐L4
大腿骨転子部
大腿骨近位部
大腿骨頸部

補足:経口と静注の比較 

ビスホスホネート製剤は、1%くらいが上部消化管から吸収され、
99%が糞中排泄となっている。

ボンビバ®もAUCを見ると分かる。
100mg経口投与の場合:219±114(n=14)
1mg静脈内投与の場合:240±22.7(n=10)
経口100mg投与と1mg静脈内投与のAUCは同じ。

参考資料
ボンビバ®添付文書、インタビューフォーム
Nakai K, et al, Eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2014;
DOI 10.1007s13318-014-0242-5