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脂質異常症・コレステロール 質問

アリロクマグ(プラルエント®皮下注ペン)について~打ち忘れたときどうする?と保険的注意~

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①薬理作用

完全ヒト型抗PCSK9モノクローナル抗体
PCSK9が媒介する低比重リポ蛋白(LDL)受容体の分解を阻害

LDL 受容体数を増加させる

LDL 受容体による肝細胞へのLDL コレステロールの取り込みを促進

血中LDL コレステロール濃度を低下させる。

効能・効果

「家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
・心血管イベントの発現リスクが高い
・ HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMGCoA 還元酵素阻害剤による治療が適さない」

※適さないとは?

「本剤は以下に示す患者に使用すること。
1.副作用の既往等によりHMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が困難な患者
2. HMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が禁忌とされる患者」

→副作用歴の把握はとても大切

※「家族性高コレステロール血症以外の患者では、冠動脈疾患、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患、糖尿病、慢性腎臓病等の罹患又は既往歴等から、心血管イベントの発現リスクが高いことを確認し、本剤投与の要否を判断すること」

→薬局でも「心血管イベントが今まであるか」など確認する方がよさそう

※自分が院外処方箋を受け付けた際は、離れた病院からだったが、処方医から
処方の意図と理由の説明があった。薬局では患者からの情報が主なので
とても助かった。

重要な基本的注意(一部)

「投与中は血中脂質値を定期的に検査し、本剤に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。」

→薬価も高いので、薬局でも検査値を確認して、疑問があるときは
疑義照会した方がいいだろう。こういう意味でも処方箋に検査値が載っていると
とても助かる。

主な副作用について

「国内で実施された第Ⅱ相及び第Ⅲ相臨床試験において、 本剤75mg又は150mgが投与された354例中46例(13.0%) に副作用が認められた。
主な副作用は注射部位反応が26例(7.3%)」

※注射部位の問題が多いので使い方に注意する
注射部位反応:「紅斑」、「発赤」、「腫脹」、「疼痛」、「圧痛」、「そう痒」など

②保存方法

凍結を避け、2~8℃に遮光して保存

冷蔵庫保存

ただし、使う前30分以上前に出す必要がある
液が冷たいと痛みを感じる可能性があるため

③投与方法

2週に1回投与する皮下注射剤
2種類の剤形(ペン及びシリンジ)それぞれに2つの規格(75mg 及び150mg)がある。

※投与部位

「皮下注射は、大腿部、腹部又は上腕部に行う。
同 一部位に繰り返し注射することは避けることが望 ましい。
また本剤と他の注射剤を同じ注射部位で併用しな いこと。」

④打ち忘れたときはどうするのか?

・基本的には、もともと設定していた日付はずらさない
・打ち忘れて、次の日に打っても、次回は予定の日に打つ
・打ち忘れて、7日遅れて打っても 次は、予定の日に打つ
・注射をする時間はいつでもOK

⑤保険的注意

・1度の処方箋には4本まで(2019)
6本以上だと高額医療費の対象になってしまう
「医療費がかさむのでやめてください」とメーカーより説明あり

・HMG-CoA 還元酵素阻害剤と併用して使用する(適さない場合は除く)

参考資料
メーカー説明、問い合わせ
プラルエント®添付文書、インタビューフォーム