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高尿酸血症・痛風

コルヒチンは発作時以外でも飲むことはあるのか?(質問)~コルヒチン・カバー~

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結論から言うと、痛風発作の予防として服用することがあり、
ガイドライン上にも記載があるのでざっくりまとめる。

①添付文書上の記載

用法用量

痛風発作の緩解及び予防
「通常、成人にはコルヒチンとして1 日3~4mgを6~8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1 日0.5~1 mg、発作予感時には1 回0.5mgを経口投与する。」

※発作時は服用が早ければ早いほど効果が期待できる
急性痛風発作発現後数時間以内有効率90%以上
急性痛風発作発現後24 時間以後有効率75%

補足
コルヒチンの発作時の使用は国ごとにだいぶ違う
フランス→コルヒチンを用いる
カナダ、ニュージーランド、日本など→NSAIDsがメイン

用法・用量に関連する使用上の注意(一部)

「長期間にわたる痛風発作の予防的投与は、
血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、
有用性が少なくすすめられない。」

続けて飲むのは良くないという記載があるが・・・

②コルヒチン・カバー

痛風関節炎の消失後、一定期間をおいてから尿酸降下薬の投与を開始する。
再発予防目的の血清尿酸管理目標値として6.0mg/dL以下とする。

その時、痛風の再発予防のためにコルヒチンを併用することがある
これをコルヒチン・カバーという。

ガイドライン上の記載

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版2019改訂では
エビデンスレベルC「条件付きで推奨」
海外では、コルヒチン・カバーが推奨されている
コルヒチンに対して短期間が良いか、長期間がよいかは色々な報告があり
結論は出ていないと思われる。
痛風発作の予防に関しては短期間より長期間が有意であり
肝機能障害などの面で長期間投与は注意が必要である。

「尿酸降下薬の投与開始後に血清尿酸値の低下に伴う痛風発作が予測される
場合は、コルヒチン1日0.5mgから1mgを尿酸降下薬と併用する。
(コルヒチン・カバー)。この目的で用いる場合は1~3ヵ月間投与し,その後中止する」

※2019改訂では6ヶ月投与が推奨されている?
(このあたりは、最近の情報を確認のこと)



発作を繰り返す人が対象となりうる。
副作用のリスクもあるので長期間は注意
ガイドライン上は6ヶ月くらいまで

※発作頻度が75~85%低下したという報告あり

参考資料
コルヒチン「タカタ」添付文書、インタビューフォーム
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版2019改訂
Ahern MJ, Reid C, Gordon TP, et al : Does colchicine work? The results of the first controlled study in acute gout. Aust N Z J Med 17 :301-304,1987 Wallace SL, Singer JZ : Review ; Systemic toxicity associated with the intravenous administration of colchicine--guidelines for use. J Rheumatol 15 :495-499,1988
Ben-Chetrit E, Levy M : Colchicine ;1998update. Semin Arthritis Rheum 28 :48-59,1998