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ベンラファキシン(イフェクサー®SRカプセル)の特徴と歯ぎしりについて

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ベンラファキシン(イフェクサー®SRカプセル)の特徴と歯ぎしりについて

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬に分類される薬剤である。
SNRI:Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor
海外では20年以上も前から使われている 。
ミルナシプラン(トレドミン®)より強く、 デュロキセチン(サインバルタ®)より弱いイメージ。
意外と眠気を訴える人が多い。

ミルナシプラン(トレドミン®)についてはこちらを参照

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①適応症(効能・効果)

「うつ病・うつ状態」

※海外で「不安障害」、「強迫性障害」、「パニック障害」に適応がある。

→少量ではSSRI的に、高用量ではノルアドレナリンの方に強く作用する。

②用法用量

「通常、成人にはベンラファキシンとして1日37.5mgを初期用量とし、 1週後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症 状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間 以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うこと。」

→いきなり75mgは使えないので注意する

副作用について

投与初期は特に「胃腸障害」、「肝障害」、「頻脈」に注意する
性機能障害がデュロキセチンより強い?(調査中)

※SSRIと性機能障害はこちらを参照

「本剤の投与量は、必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。増量により不眠症状、血圧上昇等のノルアドレナリン作用があらわれるおそれがある。」

→増量により、高用量となると「不眠」「血圧上昇」のノルアドレナリンが関係する副作用に注意する。

③その他の特徴

・徐放性製剤である。
・投与は「朝」でも「夕」でも生体利用率は同じ。効果は変わらない
・食事の影響を受けない(添付文書上は食後になっている)

・透析の方には禁忌、透析で除去されてない
→デュロキセチン(サインバルタ®)、ミルナシプラン(トレドミン®)は禁忌ではない。

・肝障害、腎障害が高度ではあれば禁忌なので注意する。

・ミルナシプラン、デュロキセチンと同様に
ヒスタミン受容体やアドレナリン受容体に対して著明な親和性を示さない。

④ベンラファキシンと歯ぎしり

SSRIの方でも報告があるが、ベンラファキシンはSSRI的な面もあるため
歯ぎしりが副作用として報告されている。

医薬品安全性情報 Vol.5 No.15(2007/07/26)によると

「オランダ薬剤監視センター(Lareb)は,2006 年 4 月 5 日までに,選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)の投与に関連した歯ぎしりの報告を 7 件(citalopram:2 件,fluoxetine:1件,fluvoxamine:1件,paroxetine:3件)受けている。また venlafaxine についても同様の報告を3 件受けている。SSRI の症例での投与量は,paroxetine,citalopram,fluoxetine 20 mg/日,fluvoxamine 100mg/日であった。投与から発症までの期間は患者 4 例では 6 時間~8 週間であったが,3 例では不明であった。SSRI の投与中止後に 3 例が回復したが,1 例は修復不能なエナメル質の損傷がみられ,1 例は歯ぎしりが消失せず,残りの3例の転帰は不明であった。Venlafaxineの症例の投与量は 75 mg/日であった。投与から発症までの期間は,患者 2 例では数日~数週間であったが,1 例は不明であった。Lareb は,WHO と Lareb の両方の副作用データベースにおいて,SSRI および venlafaxine における歯ぎしりの報告率は他の副作用の報告率と異なって高く,これらの薬剤の投与と歯ぎしりには関連が認められるとしている」

→結構昔から報告がある。SSRIおよびベンラファキシンという書かれ方をしている。

歯ぎしりが起こる理由(機序・メカニズム)

歯ぎしりは、咀嚼筋群が異常に収縮して起こるらしい。
ドパミン作動性神経は自発的運動を抑制し、セロトニンはドパミン放出を抑制する。

SSRI やベンラファキシンによりセロトニンの作用が増強する

ドパミン放出が抑制される

自発的運動の抑制作用が低下する

筋収縮の繰り返しが起こり、歯ぎしりにつながる。

参考資料
イフェクター®カプセルの添付文書、インタビューフォーム
医薬品安全性情報 Vol.5 No.15(2007/07/26)

Selective serotonin reuptake inhibitors(SSSRIs), venlafaxine: Reports of bruxism WHO Pharmaceuticals Newsletter No. 2,2007-Safety of Medicines