クレアチニンキナーゼは臓器特異性があることが知られている。
2つのサブユニットMとBからなる2量体である。
CK-MM、CK-MB、CK-BBの3つのアイソザイムが存在する。
血清には、CK-MM:95%、CK-MB:5%、CK-BB:1%以下
含まれている。
それぞれについてざっくりまとめるが・・・(今後追記予定)
※CKは骨格筋に多く含まれるため、筋肉量に比例する
→男性の方が女性より基本的に高い
※横紋筋融解症の場合
CKは1万以上になることもある。
筋肉が融解するとミオグロビンが出てくる。
ミオグロビンが腎尿細管を閉塞する急性腎不全にもなりうるので
恐ろしいことである。
横紋筋融解症とCKについてまとめているので
興味がある方はこちらを参照
※ CKは筋肉注射、採血時の号泣、激しい運動など
で高値を示すので注意が必要
①CK-MM
骨格筋にCK-MMが多く含まれている。
CK-MMが上昇すると、「骨格筋傷害」、「やけど」など
が疑われる。
臓器特異性は高くない・・・
②と③のCK-MBとCK-BBをまずは覚えよう。
②CK-MB
心筋にCK-MBが多く含まれている。
CK-MBが総CK活性の10%以上(通常5%程度)だと心筋傷害を疑う
→「心筋梗塞」、「心筋炎」など
心筋梗塞では、発症後3~4時間でCKが高値を示す。
※心筋梗塞ではCKよりミオグロビンの方が早期に高い値を示す
(発症1~3時間程度)
※CK-MB活性の比率が多くなく10%以下の場合は、骨格筋由来の場合が多い
例えば:「筋ジストロフィー」や「皮膚筋炎」など
ミオグロビンの基準値
血中ミオグロビン:
ラテックス凝集法の場合→60ng/mL以下
CLIA法の場合→男性:154.9ng/mL以下、女性:106ng/mL以下
尿中ミオグロビン:10ng/mL以下
※上記のような「心筋梗塞」でも上昇するが、
「筋ジストロフィー」、「腎不全」、「多発性筋炎」、「横紋筋融解症」
などでも高値を示す。
③CK-BB
脳や平滑筋(子宮、腸管)にCK-BBが多く含まれている。
→BBBが存在するため、あまり血中には反映されない
※BBB: 血液脳関門(Blood-brain barrier)
CK-BBが上がる場合は、
腫瘍細胞由来のことがある。
例えば:「胃がん」、「腸がん」、「肺がん」、「前立腺がん」
のとき・・・血中に出現することがある。
他には、「急性脳損傷」など
④参考:基準値
・CK-MB定量:5.2ng/mL以下
・CK-MM:93~99%
・CK-MB:0~6%
・CK-BB:0~2%