八味地黄丸などを腎補剤いうが、詳しくはこちらを参照
八味地黄丸をお酒で飲むのか?という質問を受けたのでちょっと調べてみた。
①八味地黄丸
構成生薬
「地黄」、「山茱萸」、「山薬」、「沢瀉」、「 茯苓」、「牡丹皮」、
「桂枝」、「附子」
六味丸に「桂枝」と「附子」を足したもの
漢方的な考え
六味丸→腎を補う
桂枝、附子→手足に冷えがあるもの
身体を温める機能、冷やす機能が衰えており
下半身に水が滞り、血が滞ったり、足りていない状態が適応となる
ポイントは、冷え、夜間頻尿、尿量減少、腰から下の脱力感、精力減退のあるもの。
効能効果(ツムラ添付文書より引用)
疲労、倦怠感著しく、尿利減少または頻数、口渇し、手足に交互的に冷感と熱感のあるものの
次の諸症:
腎炎、糖尿病、陰萎、坐骨神経痛、腰痛、脚気、膀胱カタル、
前立腺肥大、高血圧
インタビューフォームにも使用目標が記載されている。
「中年以降特に老齢者に頻用され、腰部及び下肢の脱力感・冷え・しびれなどがあり、排尿の異常(特に夜間の頻尿)を訴える場合に用いる。
1)上腹部に比べて下腹部が軟弱無力の場合(臍下不仁)
2)多尿、頻尿、乏尿、排尿痛などを伴う場合
3)疲労倦怠感、腰痛、口渇などを伴う場合」
おまけ:六味丸とは?
「口渇」や「皮膚の乾燥」はあるが、下肢には「むくみ」があるというような
「水」のバランスが崩れているもの(偏り)を正す漢方薬
腎気丸、腎補剤などについてはこちらを参照
②八味地黄丸とお酒
『金匱要略』『傷寒論』でも述べられているらしいが服用にあたっては酒服が勧められている。原文が見たい・・・
酒服とは?
どういう事かというと・・・?
「燗冷まし、すなわち酒気の抜けた状態の酒を、お猪口一杯分、口に含んで漢方を服用する」
※酒気の抜けた状態・・・今の自分にはどれくらいか分かりません・・・
誰か教えて頂けると嬉しい。
お酒の意味
基本的には、「胃腸障害の予防」、「栄養の補充」、
「血流改善」、「冷えの解消」などを目的にしている。
八味地黄丸の場合:
・地黄による胃腸障害の予防
・アルコールによる吸収促進作用
・酒による滋養成分の補充
・体を温めて血流を改善
などの目的がある
※炙甘草湯も地黄を含むため水と酒で煎じるよう傷寒論には記載されている。
古典で酒にて服用すると記載がある漢方薬の例
他にも桂枝茯苓丸、当帰芍薬散など
於血に対する血流改善作用などを期待している。
女性によく用いられる漢方薬であるが、冷えや栄養不足の場合もあるので
酒服をしていたのではないだろうか
参考資料
ツムラ八味地黄丸添付文書、インタビューフォーム
メーカー問い合わせ
症候による漢方治療の実際第五版 大塚敬節