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ファンコーニ症候群について~後天性の話をメイン(検査項目や対策)~

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ファンコーニ症候群について~後天性の話をメイン(検査項目や対策)~

バルプロ酸ナトリウムの添付文書を見ていたらファンコーニ症候群の記載が・・・何だこれ?ってことで簡単にまとめることにする。

おまけ:近位尿細管障害による代謝性アシドーシス?

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①ファンコーニ症候群(Fanconi syndrome)

ファンコーニ症候群(Fanconi syndrome)は、
簡単に言うと、尿細管に問題が起こって物質の再吸収出来ず
色々な症状が起こってしまう。

特徴

・遺伝性の場合と後天性の場合がある
・多発性骨髄腫、シェーグレン症候群、腎移植が原因のこともある。
・薬剤性のものもある(別記参照)
・しばしば骨軟化症、:代謝性アシドーシス、低カリウム血症と相関する
・近位尿細管によるアミノ酸、グルコース、低分子タンパク質の再吸収阻害から発症する
・ネフロンの他の部分では、アミノ酸、グルコース、低分子タンパク質は再吸収できないので尿中の排泄量が多くなる。
・成人では、骨が脆くなるとか・・・筋力が低下するなど問題が発生する。
・小児では、発育障害(低身長)、発達遅滞(知的発達の遅れ)、くる病からО脚になったりする。
・乳幼児では、多尿による脱水が起こる

原因薬剤・物質の例

・重金属
カドミウム(イタイイタイ病)、水銀、鉛など
・抗がん剤
(シスプラチン、イホスファミド、6-メルカプトプリン、アザチオプリン)
・抗菌薬(アミノグリコシド)
・抗けいれん薬(バルプロ酸ナトリウム)
・ビタミンDの欠乏

②検査項目

電解質や腎機能などに注意する必要がある。
薬局ではナトリウムの数値などに注目することは少ないが、
バルプロ酸ナトリウムを服用している方などのフォローには使えると思う。

・血液検査:
低ナトリウム血症、低カリウム血症、代謝性アシドーシス 、腎機能

・尿検査:
糖尿、アミノ酸尿(タンパク尿)、リン酸尿

③対策

・薬剤が原因の場合は、使用を中止する

対症療法としては、

・代謝性アシドーシス
→重炭酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウム、重曹)を補充

・低カリウム血症
→カリウムを補充

・骨軟化症、くる病
→ビタミンD、リン酸を補充

※腎不全時は、腎移植を行うこともある

おまけ:近位尿細管障害による代謝性アシドーシス?

腎尿細管性アシドーシスの一種である。
近位尿細管によるH+分泌が障害することで
濾過原尿中のHCO3-の再吸収が減少する。
そのため、HCO3-が尿により失われてしまい、血漿のHCO3-濃度が低下する。
その結果アシドーシスとなる。

参考資料
カラー基本生理学 バーン/レヴィ
バルプロ酸ナトリウム徐放錠「アメル」添付文書、インタビューフォーム