まず抑えるポイントは、
・超速効型インスリンと持効型インスリン(初)を配合している
・混合型なのに使用前に混和する必要がない
・夜間低血糖が少ない
・1日1回もしくは1日2回
・食事の前に打つ必要がある
①ライゾデグってどんな配合型?
持効型溶解インスリンのインスリン デグルデク(70%)と超速効型インスリンのインスリン アスパルト(30%)のモル比で配合している。
商品名で言うと・・・
溶解インスリンアナログ製剤ノボラピッド®とトレシーバ®の2種類を配合したものである。
従来の混合型のインスリンは、混和が必要であったがライゾデグ®は不要な製剤である。
また、以前の混合型は、中間型インスリンが使われいたが、この製剤は持続型インスリンを配合しているところが新しい!
(結構大きなこと・・・)
そのため、今までの混合型のインスリンより低血糖、夜間低血糖の頻度が少ない報告がある。
②用法用量
「通常、成人では、初期は1回4~20単位を1日1~2回皮下注射する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、毎日一定とする。1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。
投与量は症状及び検査所見に応じて適宜
増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。」
※1日1回の時は、打つ時間を把握し、一定に打てているか確認する必要がある
※1日2回の時は、朝と夕の指定がある。
※用量に関しては、はっきりと上限は書かれていない
②効果について
・作用発現時間:10~20分
・最大作用時間 : 1~3時間
・持続時間:42時間以上(反復投与した場合)
③添付文書にある注意点について
「1日1回投与の場合には、朝食、昼食又は夕食のうち主たる食事の直前に投与する。いずれの食事の直前に投与するかは毎日一定とすること。」
※必ず確認するようにしよう。寝る前はダメなところが注意
「インスリン依存状態にある患者(1型糖尿病患者等)には、他のインスリン製剤と併用して本剤は1日1回投与とすること」
※他のインスリンと併用する際は1日1回で使用する
「糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。」
※緊急時は使用しない。レスキューには×
「1日1回又は1日2回投与の中間型又は持効型インスリン製剤あるいは混合製剤によるインスリン治療から本剤に変更する場合、患者の状態に応じて用量を決定するなど慎重に本剤の投与を開始すること。目安として1日投与量は前治療にお
けるインスリン製剤の1日投与量と同単位で投与を開始し、その後の患者の状態に応じて用量を増減するなど、本剤の作用特性を考慮の上行うこと」
※他のインスリンから変更する場合は、前のインスリンの単位数は超えずに慎重に変更する
※1日総量を越えないように
「1型糖尿病患者に対する本剤の投与は、1日1回投与の経験しかなく、それ以外の投与方法での有効性と安全性は確立していない。」
1型糖尿病患者及びインスリン分泌が枯渇した2型糖尿病患者には、他のインスリン製剤(速効型及び超速効型インスリン)と併用して本剤は1日1回投与すること。」
※1日1回しかダメなパターンを知っておくこと
④開封後の安定性
開封後の使用可能日数:28日間(4週間以内)
開封後の保存温度:室温(1℃~30℃)
※未使用のものは、2~8℃で遮光保存(冷蔵保存)
※使用中のインスリンを冷蔵庫に入れない理由は、出し入れすることで結露する可能性があるから。結露が原因で注入器の不具合を招く可能性がある。