軽度認知障害 (MCI)と薬局で出来ることを考える。認知症の方の対応も触れてみる
補足:認知症の方の対応
①軽度認知障害 (mild cognitive impairment : MCI)
認知症の前駆期に該当する状態を指す。
物忘れの訴えがあり、加齢に伴う記憶障害の範囲を超えた記憶障害があるもの
・本人や家族から認知機能の低下の訴えがある
・認知機能は正常とはいえないものの/認知症の診断基準も満たさない
・基本的な日常生活機能は正常
という3点が基本になる。
※MCIにも細かい分類があるが今回は割愛。
②薬局で出来ること
別に薬局でなくてもいいのだが、普段本人だけでなく、家族、施設の方と話す機会もある。その中で認知症かな?という症状や行動を早めにキャッチすることは大切である。
認知機能の低下が病的なものなのか?薬の副作用によるものなのか?
考える必要があるからだ
ただし、周りからの情報以外に何かを見つけるきっかけになればと思い薬局業務で行っていることがある。
その1つが薬局での「お金のやりとり」の確認である。
毎回1万円を出していないか?
お金の計算が出来なくなっている可能性がある。
(考えきれず面倒になると大きなお金を出しがち)
お金の計算をわざとしてもらい反応をみる
お釣りがいくらになるか、それとなく本人に計算してもらい出来るか確認する。
これらの情報を「薬歴」に記載して残しておくと参考になるかもしれない
時間間隔の確認と共に意味のある情報になればと願っている。
③ 認知症の方の対応
本人がイライラしている場合
こちらの話が聞こえていない可能性がある
→大きくゆっくり話す。低い声の方が良い。
※難聴だったり、自分の気持ちが伝わらなかったりすると人はイライラするものだと思う。
耳が遠いとやはり認知機能の低下が進みやすい印象がある。
なるべく医療人として意思疎通の努力をすることは大事ではないだろうか
個人的には、本人の自尊心を傷つけないように補聴器を勧めたり、家族に教えたりしている。
食事をしたのを忘れることが多い 場合
関心事を別のものに向かわせる
なかなか難しい問題だが、認知症になってくると何度も食事をしたりする。
「炊飯器のご飯を全部食べてしまう」「冷蔵庫を漁る」など・・・よく聞く話
何か別の事をさせたり、食事の事に関心がいかないようにすることで効果が出ることもある。
家にいるのに家に帰ると言い出す場合
少し家の周りをぐるぐるして戻ってくる
家にいることという事を強く言うのではなく、
少しグルグル周ったりして(部屋を移動したり。庭を歩いたり)
「ただいま」と言って本人の部屋に入る。
決して否定はしないことが大切だろうと思う