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α遮断薬と術中虹彩緊張低下症候群(IFIS:アイフィス)について

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α遮断薬を服用している人は、白内障の手術をする際に、瞳孔を開いても閉じてきてしまうことがある。
知らずに白内障の手術をしてしまうと、手術がやりにくいという問題がある。
歯科や眼科でお薬手帳を出さない人が一定数いる。
なぜか分からないが・・・薬剤師としても併用薬を必ず全ての医療機関に知らせるように周知させる努力が必要である。
このケースで特殊なことは、服用歴も大切であることである。
過去にα遮断薬を服用していたことがあれば眼科医に知らせる必要がある。

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術中虹彩緊張低下症候群:IFISとは?

白内障手術などの眼科手術では、手術を行い易くするために虹彩(眼の茶色い部分)を収縮させて散瞳状態にする。
IFISは、手術中に収縮させていた虹彩が突然弛緩・膨張してしまう症状のコトである。

※α1遮断薬は特にα1A への選択性が強い薬剤ほど IFISを発症しやすいといわれる。

※IFIS はα遮断を服用している人の 3~4 割程度で生じているというデータもある

症状

・術中の洗浄液流による虹彩の弛緩と膨張
・術中の進行性の縮瞳(手術の最中に瞳孔が小さくなる)、
・虹彩が水晶体乳化術の切開部へ脱出する顕著な傾向

上記の症状のために手術がしにくくなる

原因

虹彩の散大筋にもα受容体があり、
α遮断薬でそこをブロックすると
瞳孔が大きく開くことが阻害されるために生じる。

原因薬剤の例

・前立腺肥大症の薬
タムスロシン(ハルナール®)、ナフトピジル(フリバス®)、
シロドシン(ユリーフ®)、ウラピジル(エブランチル®)

・高血圧の薬
ドキサゾシン(カルデナリン®)、ブナゾシン(デタントール®)、ラベタロール(トランデート®)、プラゾシン(ミニプレス®)

・抗精神病薬
パリペリドン(インヴェガ®、ゼプリオン®)
リスペリドン(リスパダール®、コンスタ®)

対策

白内障の手術を行うことが決定した場合、眼科医へα遮断薬を服用していることを伝えるようにすること。
手術前のα遮断薬の休薬は意味がない。(今のところそう言われている)
あらかじめ分かっていれば
薬剤(手術洗眼後に新品のα1 受容体刺激作用薬・散瞳薬:ネオシネジン:フェニレフリン0.1ml 結膜下に注射しておく)を準備して、問題なく手術をすることが出来るとされている。

そのため、現在α遮断薬を服用している人、服用していたことがある人は
眼科医に知らせよう。
分からない場合は、前立腺肥大症の薬を飲んでいたことがあるとか
最低限、病名を伝えておくことでも対策できるかもしれない。