リウマトイド因子 のみでの確定診断は出来ないが、除外診断や目安となるため臨床上よく使われるので・・・ざっくりしたイメージをまとめる。
※リウマトイド因子(Rheumatoid Factor;RF)
自分の体の中で作られた
自分の細胞や組織に対する抗体の一種。
関連記事
メトトレキサートと葉酸 の併用について
①リウマトイド因子 (RF値)について
関節リウマチは40歳から60歳の女性に多い病気です。10代や20代でも見られることがある。結構どの年代でもなりうる病気である。
正常値
「15 IU/mL以下」
RF定量について、2011年に「リウマトイド因子標準化のガイドライン」が以下のように公表している。
「健常人での陽性率が5%となる値をカットオフ値 15 IU/mLとし、その3倍値(45 IU/mL)までの測定値を近似させる」
※一応これ以上になると陽性ということになるのだが・・・
※RF値が高くても「関節痛」などの自覚症状がなければ、悪いというわけではない。
※実際に関節リウマチの方のRF値が上がったりあれば、
関節リウマチの「活動性」が上昇しているなどの判断も出来る。
陽性率
一般的に関節リウマチ患者の7割から8割で陽性となる。
また、関節リウマチではない人が陽性となる率も2割ほどある・・・
(2割が偽陽性とは多い・・・)
別のリウマチの検査である抗CCP抗体検査では、
関節リウマチの患者で8割が陽性、関節リウマチではない人の9割以上が陰性なので正確性はこちらの方がある。
※抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド ( CCP ) とよばれる物質に対する抗体
早期のリウマチでも血液中に見れれるため、早期診断に使われることもある。
一応、抗CCP抗体検査の方が優れているというところだけ最初に覚えるとよい。
治療の開始目安
治療の開始自体、関節リウマチであれば早めに開始した方が良いが
必ずしも・・・すぐに治療が始まるわけではいない。
積極的に治療を開始するかどうかは、
関節痛を認める関節に滑膜性の関節炎があるかどうかで決まる
この場合、エコー検査やMRI検査が必要となる。
※つまり、自覚症状が「あるか」「ないか」がとても重要である。
リウマトイド因子 が上昇する疾患
関節リウマチだけで上昇するわけではない。膠原病などでも症状することがあるので知っておくと良い
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・肝硬変
・慢性肝炎
・肺結核
・細菌性心内膜炎
・慢性の感染症
など
参考資料
リウマトイド因子標準化のガイドライン