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アロチノロールの特徴と本態性振戦について

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アロチノロールの特徴と本態性振戦について

αβ遮断薬に位置付けられているアロチノロールについて簡単にまとめる

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①アロチノロールの特徴

αβ遮断薬である。作用比は1:8である。
降圧作用はβ遮断作用であり、α遮断作用により末梢血管抵抗性を上昇させない目的がある。

効能・効果

適応症は割と多いので注意する。薬局でもハイリスクの点数などの関係もあるので・・・どの疾患で処方されているのか大切である。
狭心症は、労作性だけでなく、安静時での効果もある。

・本態性高血圧症(軽症~中等症)
・狭心症
・頻脈性不整脈
・本態性振戦

用法・用量

・本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、頻脈性不整脈

「通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日 20mgを 2 回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状等により適宜増減することとするが、効果不十分な場合は、1日 30mgまで増量することができる。」

・本態性振戦

「通常、成人にはアロチノロール塩酸塩として、1日量 10mgから開始し、効果不十分な場合は、1 日 20mgを維持量として 2 回に分けて経口投与する。
なお、 年齢・ 症状等により適宜増減するが 1日 30mgを超えないこととする」

※病態によって開始用量などが違うので注意する。
「本態性振戦」で用いる場合は、他の疾患で用いる場合より副作用が出やすいことが分かっているので少しずつ増やしていくように設定されている。

※重要な基本的注意(5)に記載がある

「本態性振戦に投与した場合は徐脈、めまい、低血圧等が高血圧患者に投与した時にくらべ、多くみられることがあるので観察を十分に行い症状が認められた場合は減量又は中止するなどの適切な処置を行うこと」

薬理作用

・プロプラノロールのβ遮断作用の2~5倍である。
・α遮断作用もありβ:α=8:1であり、ISA(-)
・β遮断作用は非選択性であり、降圧作用はβ遮断作用による。
→気管支への影響もあることから「気管支喘息」には禁忌

・β2遮断作用もあることから本態性振戦の適応を認められている。

・α遮断作用により、血管にあるα受容体を遮断して血管を拡げることで
血管抵抗性が上がるのを防ぐ。
→末梢の血流低下を避けることが出来る。
(β遮断作用のみだと相対的にα刺激作用により末梢の血管抵抗が上がってしまう)

・水溶性であり、脳内に入りにくいため中枢系の副作用が起きにくい。
※水溶性なところがカルベジロールとの違いでもある。

その他の注意点

長期にわたって服用する場合は、脈などの検査値にも注意する必要がある。
脈だったら薬局でも把握しやすいので忘れないように。

重要な基本的注意(1)
「投与が長期間にわたる場合は、 心機能検査(脈拍、 血圧、心電図、X線等)を定期的に行うこと。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止すること。また、必要に応じアトロピンを使用すること。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。」

②本態性振戦について

本態性振戦について簡単にまとめる。
アロチノロールを服用する場合は、本態性振戦であることを鑑別して使う必要があるので注意。

本態性振戦とは?

原因の不明か特定の原因ではない、規則的な不随意運動を生じる疾患のこと。
特定の原因から引き起こされていないので本態性と名前に付いている。
年齢はどこでも起こりうるが高齢者の方がなりやすい。
麻痺はないことが特徴でもある。
年齢と共に震えなどは大きくなるが、それほど進行するものでもない。
原因は、はっきりとわかっていないが交感神経の亢進が関係しているとされている。そのためβ遮断薬のアロチノロールが使われる。

症状

手の震えがメインである。
具体的には、
「箸が持ちにくい」
「小銭を取り出しにくい」
「字が書きにくい」
など細かい作業がやりにくくなったりする。

鑑別

似たような症状の疾患に甲状腺機能亢進症、パーキンソン病、てんかんなどがある。そのため、血液検査や必要があれば脳波や頭部MRIなどで否定することが必要である。

アロチノロールの添付文書にも記載されているので確認すると良い。

重要な基本的注意(4)
「本態性振戦への使用にあたっては、十分な観察、診断により類似の振戦を生ずる他の疾患との区別を行い、本態性振戦と鑑別された症例のみに投与すること」

参考資料
アロチノロール「DSP」添付文書、インタビューフォーム