オーソライズドジェネリック について簡単にまとめる
薬局業務でも先発希望の人がいる。
理由は様々で副作用が起こりやすい体質の人などは仕方ないと思う。
ジェネリック医薬品は嫌だと気分的に思っている人に対しては、オーソライズドジェネリックを勧めてみてはどうだろうか。意外とジェネリック変更が成功するかもしれない
①オーソライズドジェネリック とは?
オーソライズドジェネリック(AG)とは、先発医薬品を製造販売する製薬会社から許諾を得て、販売するジェネリック医薬品を指す。
ポイント:
必ず先発品と同じものは「有効成分」「添加物」「製法」である。
この3つ以外に先発品と同じところがあるかどうかで種類分けされている。
補足:
オーソライズド:Authorizedの意味は、「許諾」、「承認」という意味
②オーソライズジェネリック の種類
オーソライズジェネリック(AG)には、3種類のパターンが存在する。
AG1、AG2、AG3の3つである。
※どれも先発品と「有効成分」「添加物」「製法」は同じである。
3種類の違い
・AG1:先発医薬品の原薬・製法・製造ライン(工場)を用いて製造・販売する方法
※すべて先発品と同じ。錠剤の印字のみが違う
※製造ライン・工場が先発品と同じところがAG2との違い
※製造ライン・工場と原薬が同じところがAG3との違い
・AG2:先発医薬品と同じ原薬・製法を用いて許諾を得た会社が、自社の工場で製造販売する方法
※製造ライン・工場は違う
※原薬が同じところがAG3との違い
・AG3:有効成分は同じだが、異なる原薬を用いて。許諾を得た会社が自社の工場で製造販売する方法
※AG2とAG3 は、通常のジェネリック医薬品と同様に生物学的同等試験を行っている。
オーソライズドジェネリック (AG1)の例
セレコキシブ「ファイザー」
プレガバリン「ファイザー」
レバミピド「オーツカ」
オーソライズドジェネリック のメリット・デメリット
メリット:
・製法や添加物の違いによる効き目の違いや副作用への懸念が少ない
・比較的、医薬品の供給が安定している
・ジェネリック医薬品を毛嫌いしている人に理解を得られる可能性がある。
※特にAG1タイプであれば名前のみ違うので変更になりやすい?
デメリット:
・製剤的な工夫が少ないことがある。OD錠、規格の種類、割線の有無など
・すべての医薬品にオーソライズジェネリックがあるわけではない。
参考文献
武藤正樹:ジェネリック医薬品の新たなロードマップ 医学通信社、2016
監修:武藤正樹先生 国際医療福祉大学大学院教授 日本ジェネリック医薬品学会 代表理事
ファイザーメーカー問い合わせ
セレコキシブ「ファイザー」、インタビューフォーム
プレガバリン「ファイザー」、インタビューフォーム
レバミピド「オーツカ」、インタビューフォーム