ヨウ素 の特徴について簡単にまとめる。摂取量の目安にも触れている。
サプリメントだけでなく、医薬品にも使われているヨウ素の例も押さえておくと良い。妊婦の追加量などの話も少しだけ載せている
ヨウ素の特徴
原子番号 53、元素記号は、「I」 のハロゲン元素の1つである。
一般的に海産物などに多く含まれるので欠乏症にはなりにくい。
ただし、小児や妊婦では必要なことがあるので補うケースは存在する。
存在部位
ヨウ素は、体内でほとんどが甲状腺(70%~80%)に存在する。
量で言うと成人で約15mgから20mg程度である。
血液中ではヨウ素イオンとして存在し、甲状腺に能動的に吸収される。
働き
基礎代謝や生殖、成長発達に関係している甲状腺ホルモンの成分である。
さらに、甲状腺ホルモンは、胎児の脳、末梢組織、骨格などの発達と成長を促す作用も知られている。
そのため、妊娠中のヨウ素の欠乏は、死産、流産、胎児の先天異常及
び胎児甲状腺機能低下(先天性甲状腺機能低下症)の原因となる。
足りていない妊婦は、チラーヂン®などを服用するのは、これが理由である。
多く含まれる食品
海水に多く含まれるため、海産物などは含有量が多い。
・海藻類(昆布、もちろん出汁にも入っている)
・魚介類
ヨウ素の吸収を妨げる食品
少なからずヨウ素と結合することで吸収を妨げるものもあるので知っておくとよい。
有名なものではゴイトロゲンという化学物質がある。
ゴイトロゲンの例で言うと、アブラナ科に含まれるチオシアネートや大豆イソフラボンがあり、大豆イソフラボンが沢山入った食品には注意する必要がある。
医薬品の例
・うがいや消毒薬
ポピドンヨード製剤がある。イソジン®などが有名である。濃度によって「うがい」や「消毒」に用いる。
・経腸栄養剤
一部の経腸栄養剤には、ヨウ素が含まれる。
イノラス®という製品には入っているが、ラコール®、エンシュア®、エネーボ®には入っていない。
②摂取量の目安
年齢や性別でかなり推奨量などは変わる。
男性の18歳以上であれば、130μg/日
女性の18歳以上で何もなければ、130μg/日
高校生の時期などは少し推奨量は増える。
妊娠の際に少し追加する場合もあるので下記に示す。
妊婦の追加量
厚生労働省の方で具体的に示されているので知っておくとよい。
代謝回転が100%なのは意外である。
「新生児の甲状腺内ヨウ素量は 50〜100 µg であり、
その代謝回転はほぼ100%/日である。この中間値である 75 µg/日を妊婦への推定平均必要量の付加量とした」
参考資料
厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会報告書