いなかの薬剤師

~日々の学びの手助けに!なるべく簡潔にわかりやすく~

Home » 皮膚科 » エモリエント とヒューメクタントについて~保湿剤の話~

エモリエント とヒューメクタントについて~保湿剤の話~

calendar

reload

エモリエント とヒューメクタントの保湿剤の話をまとめる。特徴や例について載せている
IAD(Incontinence Associated Dermatitis)と言われる失禁関連皮膚炎を考える上でこの2つの整理は大切になってくる。
以前もエモリエントについて触れたが、今回はこの2つを並べて簡単に整理する。

IADに関する記事は下記を参照のこと
失禁関連皮膚炎(IAD)について

スポンサーリンク

①エモリエント

特徴

水分蒸発を防ぐ成分のこと
皮膚を塞ぐことにより、皮膚からの水分蒸散を抑える。
その結果、角層内に水分を溜めることが出来る
角層の水分が高まることで皮膚が柔軟にすることが出来る

エモリエントの例

・ワセリン
・ミネラルオイル
・ホホバオイル
・オリーブオイル
・ツバキ油
・ラウリン酸
・ミリスチン酸
・セチルアルコール
など

※皮膚に紅斑があり浮腫がある場合は、オイルタイプが良い。
あまりに油性が高いと物理的な刺激になる可能性がある。

補足:ワセリンの特徴

有名な名称としてプロペトと言うものがある。
ドラッグストアでも単体の製品を買うことが出来る。
乳幼児にも使うケースが多く。用途は幅広い。
皮膚に密封性を持たせ保護する。さらに皮膚の水和性を高める。
刺激がないこともメリットである。

高齢者の排泄が軟便の場合に用いると
撥水性があるため皮膚に便が付着するのを防ぐことが出来る。

※プロペトの添付文書上の用途
「眼科用軟膏基剤、 般軟膏基剤として調剤に用いる。また、皮膚保護剤として用いる。」

ちゃんと皮膚保護剤としての記載がある

②ヒューメクタント

特徴

水分を保持する成分である。
水への親和性が高い成分で、吸湿性や保水性が高い。
そのため、皮膚へ水分を与える性質がある。

ヒューメクタントの例

・グリセリン
・尿素
・ヒアルロン酸
・乳酸ナトリウム
・ピロリドンカルボン酸ナトリウム
・ソルビトール
・プロピレングリコール
・ポリエチレングリコール
など

注意点

特徴として水分を与える作用があるため、浸軟が認められる皮膚には使わない。
特に高齢者などでは注意が必要である。
この観点から見ると、高齢者の皮膚の保湿にはエモリエントの方が良い。

補足:グリセリン

グリセリンは様々な用途がある。浣腸の成分としても有名である。
また、抗がん剤などで口内炎が続くときは、アズレンタイプのうがい液と混ぜて「口内ケア」として使われたり、単体でも口内炎に対して処方されるケースがある。

※グリセリン「ケンエー」には、以下のように用途が書かれている
「浣腸液の調剤に用いる。
また、溶剤、軟膏基剤、湿潤・粘滑剤として調剤に用いる。」

参考資料
一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理団体
IAD-SETに基づくIADの予防と管理、IADベストプラクティス

グリセリン「ケンエー」添付文書
プロペト、添付文書

folder 便秘・下痢(緩下薬・止瀉薬)

センノシドと大腸メラノーシス
more...

folder 栄養・サプリメント

葉酸とは ?~胎児での意義も~
more...

folder 糖尿病・糖尿病治療薬

GLP-1受容体作動薬と胃腸障害 について
more...

folder 胃腸・消化器関連

FIB4index について~肝線維化の指標~
more...

folder 脂質異常症・コレステロール

ベザフィブラートと腎機能 について(ベザトール)
more...