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皮膚科

肥厚性瘢痕とケロイド ~アトファインについても~

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肥厚性瘢痕とケロイド について簡単に整理する。
帝王切開後のケアなどに使われるアトファインは非常にいい商品なので後半で紹介する。

肥厚性瘢痕:ひこうせいはんこん
瘢痕とは傷跡のことである。

ドレニゾンテープとエクラープラスター の使い分け

肥厚性瘢痕とケロイド

両者は実は、まったく違う疾患である。しかし、見た目の症状はよく似ている。
肥厚性瘢痕は、帝王切開の後や腹腔鏡手術の後に傷跡に沿って赤く盛り上がる状態である。
症状としては、かゆみや痛みがある。時間が経てば綺麗になることもあるが、ひどくなるとケロイドとなることがある。ケロイドは、元々の傷跡を越えて赤くなったり、盛り上がってしまった状態である。
ケロイドは、肥厚性瘢痕よりかゆみが強い。この状態になると治りにくい。
肥厚性瘢痕に人種差はなく、ケロイドは黒人に多い。

好発部位

皮膚がよく動く場所で生じやすい

・可動部位の前胸部、
・腕や肩甲部
・恥骨上部
など

原因

血管が拡張したり、血流が速くなるものは、悪化する原因となる。
他には物理的な刺激も非常に良くない。

【女性ホルモン:エストロゲン】
エストロゲンは、皮膚の老化を抑えたり、表皮細胞を増やす働きがある。その結果、傷を治すのを助ける。
しかし、色素組織的には、妊娠中などエストロゲンが極端に増えると色素沈着や肝斑が出たりする。
また、妊娠中のエストロゲンの増加により、エストロゲンに血管拡張作用があるので・・・炎症が増強してしまい、ケロイドが悪化すると言われている。

【高血圧】
血管抵抗性の増強や動脈硬化で血流が増えているため、ケロイドの重症化に関わる

【伸展刺激】
キズ周辺の皮膚が引っ張られると炎症がひどくなる

【摩擦刺激】
衣類などの摩擦で、こすれて悪化する

※他にも紫外線や傷口のテープを剥がすときの刺激、過度の飲酒や運動など

治療

・ステロイドの注射や貼り薬、軟膏を使う
・内服薬としては、トラニラスト、柴苓湯を使う
・ヘパリン類似物質の外用剤を用いる
・ステロイドの注射を該当箇所に打つ
・レーザーで血管の数を減らす
・外科的な処置で取り除く
・キズをケアするテープ剤を貼る
有名な商品名は、アトファインである。

アトファインの特徴

アトファインが非常に使われているので簡単に紹介する

【特徴】
・傷口をテープで覆うことで物理的刺激を抑える。
※具体的には、皮膚の引っ張りや衣類の摩擦を減らすことが出来る
※絆創膏との違いは、伸びるタイプが多いので物理的刺激を抑えるには不向き。
簡単に言うと、アトファインは伸びないタイプで絆創膏は伸びるタイプである。

・アトファインの説明では、3か月から1年くらいテープでのケアを勧めている。
※帝王切開などの創口が閉じた後から貼り始める。

・テープの形が特徴的ではがれにくい。(波波な形をしている)

・交換は、5日から7日に1回でよい。
※シャワーやお風呂でもはがれにくいので手間は少ない

・汗で蒸れにくい設計になっている

・ケアを目安は3か月から1年程度である。

参考資料
ニチバン問い合わせ
ニチバン 知っておきたい帝王切開の基礎知識